クラフトビール、缶で手軽に 蔵王ブルワリー(山形)、350ミリリットル2種発売

蔵王ブルワリーが発売した缶の「山形さくらんぼエール」(左)と「マツノモリエール」

 クラフトビール醸造所の蔵王ブルワリー(山形市)は「山形さくらんぼエール」「マツノモリエール」の350ミリリットル缶を発売した。需要に瓶ビールの製造が追い付かないためで、県外業者に製造を委託する。持ち運びしやすく常温保存できる缶ビールを用意し、販売量を増やしたい考えだ。

 県外で人気のさくらんぼエールは県産のサクランボ果汁を使い、香りと苦みが絶妙なバランスで、フルーティーな味わい。オーソドックスなマツノモリエールはアロマホップの香りが蔵王の大自然を連想させ、爽やかですっきりした飲み口が特徴。昨年度の全国品評会でそれぞれ金賞、銅賞を獲得した。

 蔵王ブルワリーは食品卸売業の山里菜(さんりな)(海谷康裕社長)が2022年3月にオープンさせた。蔵王の大鳥居近くの醸造所で、計6種類の瓶ビールを1種類当たり月4千本製造するが、同所や直営店での販売分を造るのが精いっぱい。クラフトビール人気の高まりを受け、購入希望や販売希望が多数寄せられるものの、十分に応じられなかった。

 1ロットで1万本分を用意できる外部業者に缶ビールの製造を委託し、拡大するニーズに応える分量を賄うことにした。希望小売価格は480円(税抜き)と瓶(330ミリリットル)の8割に抑えた。同所や直営店、オンラインショップのほか、市内外20カ所近くで扱う。

 小売店や飲食店、宿泊施設での販売を増やしたい考えで、3月から県外でも販売する。海谷社長は「買い求めやすい手軽な価格と量。多くの人に山形、蔵王のビールを味わってほしい」と話した。2本セットの箱入りもある。問い合わせは蔵王ブルワリー023(666)8151。

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