荒木さん(県立農林大学校)最優秀 全国農業大学校等プロジェクト発表会、肉牛肥育に飼料用トウモロコシ活用

最優秀賞の賞状を手に笑顔を見せる荒木ひかりさん=県庁

 全国農業大学校等プロジェクト発表会で、新庄市の県立農林大学校畜産経営学科2年荒木ひかりさん(20)が、肉牛の肥育コスト低減に向けた飼料用トウモロコシの活用について発表し、最優秀賞に輝いた。卒業後は、古里の西川町で黒毛和種の肉牛生産に携わる。東日本発表会に続く最高賞で、27日には県庁を訪れ「いつか研究内容を仕事の中で実践したい」と笑顔で結果を報告した。

 荒木さんは同大学校で乳牛用に栽培していたデントコーン(飼料用トウモロコシ)を肉用牛に給餌し、放牧も取り入れることで、輸入飼料を使った従来の肉牛肥育よりも、コストを下げつつ、良い肉質を保てるかどうかを研究した。経費、肉質ともに想定通りの結果を得ることができ、東日本の発表会で最優秀賞に輝いた。

 今月8日、東京都内で開かれた全国発表会では、15人によるプロジェクト発表(養成課程の部)に出場。発表(10分)と質疑(3分)に臨んだ。放牧地の確保や、水稲農家の転作作物として飼料用トウモロコシを生産してもらうなど、酪農との協力や耕畜連携の必要性についても強調した。

 荒木さんは27日、菊地繁美校長らと吉村美栄子知事に全国でも最高賞に輝いたことを報告。同大学校には肉牛生産者から研究内容に関する問い合わせがあるといい「現場の反応はうれしい」と笑顔を見せた。両親の実家でかつて牛を飼っていたことから、畜産に興味を持ち、同大学校で2年間専攻してきた。今春卒業後は肉牛の生産を手掛ける福寿館月山牧場に就職し、本県が誇る和牛生産の担い手の一人となる。

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