一畑電車4月1日ダイヤ改正・パターンダイヤ導入と通勤特急増結+速達化でコロナ明けの需要回復取り込み狙う・おでん電車も登場

松江市と出雲市を結ぶ一畑電車は、4月1日にダイヤ改正を行うと発表しました。分かり易いパターンダイヤを初めて導入するほか、平日朝の通勤用特急の増結と時間短縮で、コロナ明けの需要回復を取り込む狙いです。

新たなダイヤでは平日、休日ともに日中の時間帯を1時間毎運転のパターンダイヤとします。主要駅では、松江しんじ湖温泉駅が毎時45分発、電鉄出雲市駅が毎時25分発、出雲大社前駅が毎時20分発となり、中間駅の発着時分も1時間毎でそろうことから、利用者に覚えてもらいやすくなるメリットがあります。

また平日朝に電鉄出雲市駅を出て松江しんじ湖温泉駅に向かっている通勤客向けの特急スーパーライナーを現在の2両編成から3両編成に増結すると共に、松江寄りの中間4駅を新たに通過することにして所要時間を5分短縮します。新型コロナの5類化に加え燃料費高騰もあって通勤客の電車利用が回復傾向にあるということで、着席できるチャンスを増やし速達化で需要を取り込みたい考えです。

休日ダイヤでは、これまで日中時間帯は松江しんじ湖温泉駅から出雲大社前駅に直通運転していましたが、JR出雲市駅から一畑電車に乗り換えて出雲大社に向かう観光客の流れが鮮明になって来たとして、電鉄出雲市駅と出雲大社前駅間の往復を基本とします。接続駅が乗り換えの客で混雑するのを避ける狙いもあるとしています。

一方、パターンダイヤ化に伴い、松江市と出雲市の間のビジネス利用などに期待しておととし導入した平日日中の急行は廃止されます。

そのほか、一畑電車は新たなイベント列車として車内でおでんと地酒を楽しめる「おでん電車」を初めて運行します。

ロングシートの電車の通路に長机を置き、おでんの鍋と軽食を囲みながら沿線の蔵元の日本酒3種類を味わえます。
車内でおでんを楽しめる列車は、豊橋鉄道市内線(愛知県)の「おでんしゃ」が有名で、一畑電車では「おでんしゃ」を視察し導入を決めたということです。貸切運行(最大20人予約制)は3月1日から4月30日までの受け付けですが、3月22日(金)は4人から5人の小グループで利用できます。
松江しんじ湖温泉駅を午後6時半に出発し、途中駅で折り返して午後8時6分に戻るダイヤで、料金は6500円。1日フリー乗車券も付いていて、夏のビアホール電車「酔電」に並ぶ名物列車になることが期待されます。

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