YOASOBI、『文藝×monogatary.comコラボ賞』大賞作品を楽曲化 リクルートのCMソングに起用

YOASOBIが、2023年に小説投稿サイト『monogatary.com』にて行われたコンテスト『文藝×monogatary.comコラボ賞』の大賞作品を今秋に楽曲化する。

芥川賞作家の金原ひとみが審査員長を務めた本コンテストは、文芸誌『文藝』(河出書房新社)と、“小説を音楽にするユニット”YOASOBIの生まれ故郷でもあるmonogatary.comの共催で新設された新人賞。本日2月28日に大賞が発表され、生きづらさを抱える主人公がふとしたきっかけから想像もしない裏社会の抗争に巻き込まれるという、スピード感とユーモアに満ちた、有手窓の『白山通り炎上の件』が選ばれた。なお、10月には河出書房新社より本コンテストの受賞作をまとめた単行本が刊行される。

また、楽曲が株式会社リクルートとのタイアップソングになることも決定。このコラボは、「まだ、ここにない、出会い。」をパーパスとするリクルートが、本コンテストのテーマ“邂逅”に共鳴したことをきっかけに実現。コンテスト受賞作品を掲載した『メモリアルフリーマガジン』の配布(2024年夏予定)など、様々な企画が予定されているとのこと。さらに、YOASOBIからのコメントやプロジェクトのティザー映像が見られる特設サイトもオープンしている。

<選評>

・選考委員長 金原ひとみ(作家)

おかしなことと真っ向から戦うと損をする、現代的四面楚歌地獄から、クライムアクション的世界へと様変わりするトンデモ展開。現代の生きづらさ、くだらなさ、息苦しさを笑い飛ばすかの如く、アクロバティックな俯瞰視点で描かれた物語に、救いと希望を感じた。

・選考委員 坂上陽子(『文藝』編集長)

まずはタイトルで惹かれ、読み始めてさらにのめりこみ、次々物語が展開するスピード感、随所にきらめく茶目っ気たっぷりのウィット、それでいて作者の「これを書かねばならぬ」切実さを強く感じ、読み終わったあと興奮の渦に巻き込まれました。今回の選考を通して、いわゆる「文芸誌」も小説のいちジャンルにしか過ぎず、いま文学と小説の幅がかつてなく大きく広がっていることをビビッドに体感できて楽しかったです。もう有手さんの次の作品が楽しみでなりません!

・選考委員 屋代陽平(「monogatary.com」プロデューサー)

「ライブのような小説に出会いたい」という願いを込めて創設したこの賞。大賞作品は、日々の延長線上にある思いがけない出会いや、そこに踏み込んで体験できる非日常が、日常をキラリと輝かせてくれるということを教えてくれます。それはまさにライブで得られる栄養そのもの。この小説がさまざまな形で鳴り響く未来が楽しみです。

(文=リアルサウンド編集部)

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