黎智英氏、バイデン批判強化を指示

壱伝媒集団の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏が外国勢力と共謀した容疑の裁判が2月26日に32日目となった。27日付香港各紙によると、検察は黎氏が『りんご日報』の当時の副社長である陳沛敏氏に対し、2020年の米国制裁リストについて報道するよう提案したことに言及。陳氏は黎氏が「(制裁)リストに細心の注意を払っている」と強調したが、報道するのは難しいと考えていたと述べた。制裁リストはニュース形式だったので、記者らはブルームバーグのニュースを引用して制裁リストを分析した。一方、陳氏は、当時の『りんご日報』の立場が大統領候補のバイデン氏を批判し、トランプ氏を支持することだったと指摘し、黎氏は国際版の職員らによるバイデン氏とその家族に関するスキャンダル報道を手ぬるいと批判し、バイデン氏のスキャンダル報道の拡大を要求。一方、トランプ氏に批判的なニューヨーク・タイムズやCNNの報道には従わないよう指示した。国際版の職員らはニュースの割合にストレスを感じたものの黎氏の指示に従って調整した。

『りんご日報』はかつて「トランプ氏は後退し、いつでも攻撃を拡大する」と題する記事を掲載した。 検察は、黎氏が制裁リストを作成して報道するよう提案したという陳氏の以前の証言を引用。陳氏は黎氏の提案を受けて同僚らと議論したが、制裁リストをニュース形式で報道するのは困難だったと述べた。検察は、黎氏が2020年8月20日にツイッターでトランプ大統領に感謝の意をツイートしたことを明らかにした。 検察は以前、黎氏が2020年6月2日に当時のネクストメディア最高経営責任者(CEO)の張剣虹氏に「国際チームの同僚たちにニューヨーク・タイムズやCNNに従ってトランプ氏を標的にしないようお願いしてください。私たちの命を守るためにはトランプ政権の支援に頼らなければなりません」というメッセージを送ったことに言及していた。黎氏の指示を受けた後、張氏は陳氏や編集長の羅偉光氏および国際版の同僚らにその旨を伝えたという。

© HKP