「出産とキャリアを引き換えのイメージがあるから少子化が進む」出生数過去最少を更新…行政は危機感 学生からは切実な声

2023年1年間に国内で生まれた子どもの数は約75万人と過去最少を更新しました。静岡県内の出生数も過去最少の2万171人。こうした状況を打破するには?県内の大学生が意見を交わす場面もありました。

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厚生労働省によりますと、2023年1年間に国内で生まれた子どもの数は速報値で75万8,631人で8年連続で過去最少を更新しました。静岡県内の出生数は2万171人で前の年より1,601人減り、こちらも過去最少となりました。減り続ける出生数の背景に何があるのでしょうか。

<母親>
「やっぱり仕事との両立ですかね、仕事と育児と家事と、保活も苦労しちゃったので」

2月26日に第2子を出産した女性は、育児には周囲のサポートが不可欠と話しました。

<母親>
「実家がこっち(静岡市)で里帰りできるのはすごくありがたくて、手伝ってもらえるし、そうじゃなかったら産もうかなとは思わなかったですね」

こうした状況に行政は危機感を募らせています。

<静岡市 難波喬司市長>
「とんでもない人口減少が起きてしまうという、本当に危機感をもってやらないとまずい」

人口減少に悩む静岡市の2023年の出生数は3,787人。4,000人の大台を割り込む結果となりました。少子化に歯止めをかけるため、難波喬司市長は、2024年度の当初予算案で子育て支援を重点政策に打ち出しました。

一方、静岡大学では、教員を目指す学生などが出生数・過去最少のニュースについて意見を交わしました。

「出産とキャリアを引き換えにするというイメージがあるから少子化が進んじゃう。働きやすい職場の職場の充実が進められる必要がある」

「やっぱり資金面の問題が大きいのかなと思う。なので、給料が全体的に上がったり、子育て支援がもっと拡充しないと」

キャリアや金銭面を不安視する声がある中、こんな意見も出ました。

「積極的に支援を受けるような力も必要なのかなと思います。ただ、考え方だけというより、制度を知ることも重要だと思う」

減り続ける出生数に歯止めをかけるために、行政などの支援が求めている人に確実に届く必要があります。

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