選挙公約の無償化より「完全給食を一刻も早く」 盛岡市の内舘茂市長 全63校中10校が選択制 子育て世帯の負担軽減へ意欲も無償化実現には年間11億円の財源確保が課題

盛岡市の内舘茂市長は28日、市立小中学校全てで児童生徒への完全給食を「一刻も早く取り組まなければならない」と述べました。

これは28日の会見で述べたもので、内舘市長は去年行われた市長選挙で公約に掲げた全小中学校の給食無償化に先行して、完全給食の実現を図る考えを示しました。盛岡市教育委員会によりますと、現在市立小中学校全63校のうち中学校10校で弁当の持参かランチボックスかを選ぶ選択制が導入されていて、このうちランチボックスの利用率は2022年度実績で約24%にとどまっています。
このため市は「全員に同じ給食が提供される方式」として、完全給食の実施を目指しています。新年度の当初予算案に新たな給食センターの整備に向けた費用や候補地の調査に事業費1000万円を計上しています。
ただ、候補地については必要な面積、給食を届ける学校への配送時間といった条件を満たさなければならず、選定まで時間がかかる見込みです。
さらに、内舘市長が選挙公約で掲げた給食無償化については、2022年度の児童生徒数をあてはめると、小中学校全63校で合わせて年間11億円が必要になると試算されていて、財源の確保も課題となります。
内舘市長は会見で「未来をつくっていく子どもたちを大切にしていくこと、子育てしやすいまちにしていくことが大事」として、負担軽減の面で無償化の意義を強調した上で、「完全給食は一刻も早く取り組まなければならない」と述べました。

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