【中国】百度の23年純益2.7倍、3年ぶり増益達成[IT]

インターネット検索の中国最大手、百度(北京市、バイドゥ)が28日発表した2023年12月期本決算は、純利益が米国会計基準(GAAP)ベースで前年比2.7倍の203億1,500万元(約4,250億円)だった。通期の増益は3年ぶり。主力事業が好調だったほか、為替差益の計上も利益を押し上げた。

非GAAPベースの純利益は39.0%増の287億4,700万元。プラスは2年連続。

営業利益は37.4%増の218億5,600万元。売上高は8.8%増の1,345億9,800万元だった。売上高のうち百度コアと呼ばれる検索・マーケティング部門は8.4%増の1,034億6,500万元。このうちオンラインマーケティングは8%増の約751億元、非オンラインマーケティングは9%増の約284億元となった。

動画サービス子会社の愛奇芸の売上高は9.9%増の318億7,300万元だった。23年第4四半期(10~12月)のユーザー数は1日当たり平均で1億30万人。前四半期から720万人減り、前年同期からは1,130万人減少した。

百度が展開するアプリの23年12月の月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同月比3%増の6億6,700万人だった。

同社が提供する自動運転システム「アポロ」搭載車のライドシェア(相乗り)サービス「蘿蔔快ホウ(ホウ=足へんに包)」の第4四半期の受注件数は前年同期比49%増の約83万9,000件。24年1月2日までの累計受注件数は500万件を超えた。

23年の研究開発(R&D)費は前年比3.8%増の241億9,200万元。

■4Qは投資損失響く

23年第4四半期決算は、GAAPベースの純利益が前年同期比47.5%減の25億9,900万元だった。持分法投資損失が膨らんだ。

非GAAPベースの純利益は44.4%増の77億5,500万元。売上高は5.7%増の349億5,100万元となった。

百度の創設者で董事長兼最高経営責任者(CEO)を務める李彦宏氏は、大規模言語モデル(LLM)の「文心(アーニー)」、生成人工知能(AI)サービスの「文心一言(アーニーボット)」を23年に発表し、「製品の再構築・商品化で大きな進歩を遂げた」と強調。今後も生成AIと基盤モデルへの投資を続け、新たな成長エンジン創出のための基礎を築くと表明した。

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