茨城県日立市は28日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3.3%増の747億8000万円で、過去3番目の規模。昨秋の大雨被害を踏まえ最優先した災害復旧と防災減災対策に計4億6000万円を計上した。災害情報を広く共有する総合防災情報システムを導入する。
災害復旧費は1億9000万円。23年度すでに71億円を充てており、最終的に100億円を超える見通し。会見で小川春樹市長は「まずは本格復旧を早急に進める。子育て支援や人口減少対策はこれまでの施策を拡充する」と述べた。
浸水した本庁舎の復旧に1億4600万円を充て、地下進入路に上屋を整備する実施設計や免震装置の復旧を進める。災害情報を一元管理する同システムに9900万円。道路の冠水対策として側溝改修を集中的に行い、河川を監視する定点カメラや市民がいつでも持ち出せる土のうステーションを整備する。
人口減少対策では、23年度無償化した小中学校の給食に関し、アレルギーのため弁当持参の家庭に給食費相当額を助成する。市内で住宅を取得した子育て・若年世帯への補助対象を39歳から44歳以下に拡充し、長期優良住宅には10万円を補助する。
日立製作所との連携協定に基づくプロジェクトに4500万円を充て、次世代モビリティー導入や再生可能エネルギーの地域内融通を検討。11月17日に予定する初のフルマラソン「ひたちシーサイドマラソン」の開催に1億円を計上した。
特別会計を含む総額は2.8%増の1256億1000万円。歳入で市税は国の定額減税などで2.6%減の260億3000万円を見込む。借金に当たる市債は建設事業の増加で47.8%増の40億1000万円。