茨城県は28日までに、2021年度の国内総生産(GDP)統計の茨城県版「県民経済計算」を発表した。県内総生産と1人当たりの県民所得が3年ぶりに過去最高額を更新した。経済成長率が国を大幅に上回ったのは、全国1位となった17年度以来。県は、国内外のコロナ禍からの経済回復を受けた製造業の生産増加が主な要因と分析する。
県統計課によると、県内総生産(名目)は前年度比5.7%増加し、14兆5391億円。18年度以来、過去最高額となった。
21年度を産業別に見ると、製造業が茨城県の経済成長に最も大きく寄与した。同課は「茨城県の製造業の割合は、全国平均を上回り3割以上に上る。その生産増加が大きかった」と分析する。
さらに、建設業もけん引した。民間企業による工場やオフィスの建設、設備投資が貢献した。
茨城県の県民所得は9兆8053億円。18年度以来、過去最高額を更新。1人当たりの県民所得は前年度比9.6%増の343万8000円だった。
21年度の国の実質経済成長率は2.8%増に対し、茨城県は6.6%増だった。大幅増について、同課は「経済成長率が全国1位となった年度に近い数字。喜ばしい」としている。
県民経済計算は県内の経済活動の実態を明らかにするため、県が1955年度から毎年度実施。2021年度は国のGDPなどのデータを基に集計した。