長崎大 「病院の働き方改革」を主題にシンポジウム 診療看護師導入で負担軽減

診療看護師の導入で医師や看護師の負担が減った事例をオンラインで報告する三浦教授(右上)

 「医師の働き方改革」で4月から医師の時間外労働時間の上限規制が適用されるのを前に、長崎大は28日、「病院の働き方改革」をテーマにしたシンポジウムをオンラインで開いた。長崎大学病院心臓血管外科の三浦崇教授は診療看護師の導入事例を報告。「医師や看護師の負担軽減につながった」と話した。
 医師の長時間労働は社会問題化しており、医療の質を落とさずに現場の負担を減らす取り組みを各医療機関が模索している。
 心臓血管外科の手術は長時間に及ぶことが多く、三浦教授は「その間は病棟の仕事が止まってしまい長時間労働の一因になっていた」と説明。業務改善策の一つとして一定レベルの診療ができる診療看護師を2018年に導入した。医師の業務を一部受け持つなどした効果で、医師も看護師も超過勤務が大幅に減少。男性医師の育児休暇取得にもつながったという。
 三浦教授は診療看護師について「チーム医療に欠かせないパートナー」と評価。ただ全国的にはまだ導入事例が少なく、「現場の切羽詰まった状況を(病院の管理者が)自分事と捉えて動いてほしい」と述べた。
 シンポジウムには全国の医療関係者ら約120人が参加。同院のほか、徳島大学病院の事例報告もあった。

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