JALと奄美瀬戸内町、共同でドローン運航会社「奄美アイランドドローン」を設立。Matrice30とFAZER R G2を運航

瀬戸内町は、「誰もが住み続けたい」サステナブルなまちづくりを目指す中、ドローン輸送の導入を生活の安心・安全と集落機能の維持を図る新たな行政サービスとして位置づけており、JALグループと連携協定を締結の上、防災から生活物流にわたる地域の社会課題の解決に向け、ドローンやデジタル技術を活用した離島モデルの社会実装を目指し2020年10月から共同検討・実証実験を重ねてきたという。

今般、瀬戸内町は、JALと共同出資にてドローン運航事業会社「奄美アイランドドローン」を設立の上、災害発生時には孤立集落への緊急支援物資の輸送を、また、平常時には医療関係品や日用品を定期配送するなど、島の暮らしを支える住民向けサービスを開始する。

「奄美アイランドドローン」は、瀬戸内町の二次離島(加計呂麻島・請島・与路島)を含む町域の地理と輸送物資の特性に適応すべく、航続距離や積載重量に優れる大型物流ドローン「FAZER R G2」を使用した機体運航する。

なお、JALによる運航支援として、目視外遠隔操縦をはじめとして、高度なドローン運航管理や安全管理に係るノウハウ提供の他、開業フェーズにおいては操縦者人材の派遣も受けながら、安全・安心なドローン運航事業を遂行していく。

JALは、航空事業で培った技術・知見を活かしたエアモビリティの取り組みを通じて、サステナブルな人流・商流・物流を創り、社会課題の解決と地域の活性化に取り組んでいる。

瀬戸内町のドローン事業においては、地域に根差した事業の発展に向け、操縦者養成はじめ、安全にオペレーションを担う体制づくりを支援するとともに、離島物流ドローンの社会実装モデルとして、奄美群島全体への拡大展開も目指すという。

三者は、今後もドローン事業を通じて、地域活性化・持続可能なまちづくりに貢献していくとしている。

瀬戸内町におけるドローン活用 災害時・平常時モデル

  • 防災・災害対応として、被災状況把握にドローン空撮を活用する他、救援物資等を輸送する。
  • 生活物流を船舶に頼る二次離島へ、医薬品や日用品の定期配達の一部をドローン輸送する。
  • 災害時・平常時ともに、ドローン輸送はFAZER R G2を使用し、奄美アイランドドローンが運航する。 平常時の運航体制をもとに、発災・緊急時の物資輸送要請に即応する。
  • ICT連携として、スマートフォンアプリを通じた被災情報、物資要請などの情報集約や、日用品配送のロジスティクス情報を一元化するなど、ドローンとデジタル技術の融合を進める。

瀬戸内町 住民向けドローン輸送サービス概要

2024年2月現在

救援物資:防災・災害対応

発災時、孤立集落等における必要物資要請に基づき、防災備蓄品等の救援物資を緊急輸送します。 古仁屋→被災地(例:久慈、西阿室地区)

医薬品:地域医療の維持

薬剤師による患者様(与路島)への定期的な処方薬配達について、その一部をドローン輸送します。 古仁屋→与路僻地診療所・患者様 月1回(木曜 午前)

日用品:海上輸送による遅配・欠配を補完

給食食材) 与路島、請島の小中学校への定期的な食材(生鮮食品含む)の配送について、その一部をドローン輸送します。 古仁屋→与路小中学校 月4回(木曜・金曜 午前) 古仁屋→池地小中学校 月2回(木曜 午前)

新 聞) 与路島、請島への定期的な新聞(朝刊)配送について、その一部をドローン輸送します。 古仁屋→与路島 購読者 月4回(木曜・金曜 午前) 古仁屋→請島 購読者 月2回(木曜 午前)

奄美アイランドドローン 運航概要

使用機体

ヤマハ発動機(株)製 FAZER R G2 (1機) 最高速度:72km/h 搭載可能重量:15kg(貨物自動切離装置使用時) 飛行可能風速: ~平均10m/s

運航ルート

手安ヘリポート(古仁屋から北西に2.1km地点) ⇔与路港 (18km/片道, 約30分) 手安ヘリポート(古仁屋から北西に2.1km地点) ⇔池地港 (15km/片道, 約25分)

運航形態

目視外・遠隔運航(衛星通信およびLTE使用) レベル3.5飛行

▶︎JAL

© 株式会社プロニュース