シャックがシェングンにロケッツからの移籍を推奨「彼がより良いチームにいるのを見たい」<DUNKSHOOT>

2021年のドラフト1巡目16位でオクラホマシティ・サンダーに指名され、翌日のトレードでヒューストン・ロケッツに移籍したアルペレン・シェングン。21歳のセンターは1年目からローテーション入りを果たし、3年目の今季はここまで57試合の出場で平均21.1点、9.2リバウンド、4.9アシスト、1.1スティールをマークしている。

211cm・110kgのシェングンは、ジャンパーやフックショット、レイアップ、3ポイントなど様々な形で得点を奪えるだけでなく、リバウンドやパスも高水準で、1月21日のボストン・セルティックス戦では24得点、12リバウンド、10アシストで自身3度目のトリプルダブルを達成した。

その多彩なプレースタイルはニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)を想起させ、22年の対戦時には「本当に才能がある。パスが捌け、ポストアップもできて、リム周りでもいいタッチが備わっている」とヨキッチ本人も高く評価していた。

そんななか、レジェンドセンターのシャキール・オニール(シャック)は『TNT』の番組でトルコ人ビッグマンを称賛するとともに、ロケッツからの移籍を勧めた。

「彼(シェングン)は若い頃のパウ・ガソルを思い出させる。俺はこの男が大好きだ。俺は彼がより良いチームにいるのを見たい。もし彼がLAのようなチーム、あるいは周囲に才能を持った選手が多くいるチームに行ったら、彼らは間違いなく上手くいくだろう」
シャックが対象に挙げたガソルは、2000~10年代に活躍したスペイン人ビッグマン。01年にメンフィス・グリズリーズに入団すると、1年目から平均17.6点、8.9リバウンド、2.7アシスト、2.1ブロックをあげて新人王を受賞。2年目以降も好成績を残し続けたが、孤軍奮闘の印象は否めず、3度のプレーオフはいずれも1回戦でスウィープ負けを喫した。

“勝てないエース”のイメージがついてしまったガソルだったが、08年にトレードで加入したロサンゼルス・レイカーズでキャリアが一変。コビー・ブライアントに次ぐ第2オプションとして見事な働きを披露し、09、10年の連覇に大きく貢献した。

現在ロケッツにはジェイレン・グリーンやジャバリ・スミスJr.、アメン・トンプソンといった若手有望株、そしてフレッド・ヴァンブリート、ディロン・ブルックスら経験豊富なベテランが在籍し、25勝33敗(勝率43.1%)でウエスタン・カンファレンス12位。プレーオフ進出の可能性は残されているものの、優勝を狙えるほどの力は備わっていない。

「僕はとにかく勝ちたい」と何よりも勝利を欲するシェングンだが、ロケッツは20年を最後に大舞台から遠ざかっている。このままヒューストンで頂点を目指すのか、悲願達成のために他球団へ移るのか、今後のキャリアに注目だ。

構成●ダンクシュート編集部

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