スーパー耐久が世界初となるモータースポーツのマルチアングル配信にチャレンジ。2024年から実証実験を開始

 2月29日、AMATELUSはスクラムスタジオとスポーツ庁が共同で実施するプログラム内の取り組みにおいて、スーパー耐久シリーズを運営するスーパー耐久機構(STO)と配信協業することを発表した。今後シリーズ公式YouTubeチャンネル『S耐TV』の配信に加え、世界初となるモータースポーツのマルチアングル配信にチャレンジし、2024年シーズンから実証実験を開始する。 

 今回の協業は、2023年7月からスポーツ庁とスクラムスタジオが共同で実施する『SPORTS INNOVATION STUDIOオープンイノベーション』プログラムにて、コラボレーションパートナーのJAF日本自動車連盟と、2023年11月にスタートアッププログラムに採択されたAMATELUSが事業共創の取り組みを開始したことから誕生した。

 その取り組みのなかで、近年は24時間大会を開催しつつ、カーボンニュートラルといった未来にも挑戦するJAF公認四輪レースのスーパー耐久シリーズを運営するスーパー耐久機構と「モータースポーツでの新たな映像視聴体験の価値創造および、スーパー耐久のさらなる発展を目的」とし、世界初となるマルチアングル配信サービスの協業が決定された。

 現在のスーパー耐久では、公式YouTubeチャンネルの『S耐TV』で決勝レースの模様をライブ配信しているが、今後はコース上のレース映像に加え、ピットアングルの配信などを増やし、視聴者がさまざまなアングルでレースを楽しめるマルチアングル配信にチャレンジ。今季2024年シーズンから早くも実証実験が開始される予定だ。

 AMATELUSの調べによると、2024年2月時点の日本国内外における同社保有の国際特許技術『SwipeVideo(スワイプビデオ)』を使用し、モータースポーツで10アングル以上の映像を高画質マルチアングル配信を行う取り組みは“世界初”になるという。

 なお、AMATELUSは今回のスーパー耐久シリーズとの協業に至った経緯を「モータースポーツは、サーキット内で同時多発的にさまざまドラマが起きるスポーツです。コース上のコーナーやピットなどで常に白熱のドラマが繰り広げられています。現状、そのすべてのシーンをファンの方に見てもらうことはできません」と説明する。

「サーキットに足を運ぶファンの方は勿論ですが、既存の配信を視聴されているファンの方においても、送り手が決めたアングル映像を視聴するシステムなので、視聴者の方はサーキットで起きているすべてのシーンを視聴することはできていません」

「そこで私たちは『サーキット内での様々なドラマをファンの方に届けたい』『今まで届けられなかった舞台裏のドラマもファンの方に届けたい』『スーパー耐久の奥深さや熱いドラマをもっと知ってもらい、もっとサーキットに足を運んでもらいたい』という想いで今回の協業に至りました」

「本取り組みは、モータースポーツ業界のさらなる発展と、日本から世界へ発信できる取り組みとなることを目指しております」

 まず2024年シーズンは実証実験からのスタートとなる世界初のモータースポーツマルチアングル配信。課題は多いかもしれないが、技術が確立されればモータースポーツ観戦が一味違ったものになるため、将来の取り組みが非常に気になるチャレンジと言えるだろう。

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