隣に座った高齢女性、電子マネー5枚の番号入力し始め… 特殊詐欺阻止で弘前大生2人に感謝状

特殊詐欺被害を防いだ時の様子を再現する廣﨑さん(左)と白鳥さん=28日午後、弘前署

 弘前署は28日、高齢女性の特殊詐欺被害を未然に防いだとして、弘前大学3年生の廣﨑雄大さん(21)と白鳥稔洋さん(21)に感謝状を贈った。

 廣﨑さんによると、18日午後5時ごろ、弘前市内のカフェで、廣﨑さんがパソコンを開いて勉強していると、隣に70~80代くらいの女性が座った。女性は席に着くなり千~10万円で購入できる電子マネーカード5枚を取り出し、カードに書かれた番号を自分のスマートフォンに打ち込み始めた。

 不審に思った廣﨑さんが声をかけると、女性は「(金額で)相手と勝負をしている」と語り、入力をやめようとしなかった。廣﨑さんがサイト名を検索すると詐欺の疑いのあるサイトだったため、普段から仲の良い白鳥さんを呼び、警察が来るまでの間、違う話をするなどして、最終的に被害を防いだ。

 白鳥さんは「廣﨑さんの話が冗談だと思ったが本当だった。特殊詐欺の現場を見て怖かった」、廣﨑さんは「自分のすぐ横で詐欺に遭っている人を見過ごせなかった」と振り返った。

 同署の半澤一人署長は「声をかけ、被害を防いでくれてありがとう」と2人の功績をたたえた。

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