アフリカの公的債務、来年までコロナ禍前上回る水準で高止まり=国連

Nyasha Chingono

[ハラレ 28日 ロイター] - 国連アフリカ経済委員会(UNECA)のマクロ経済・統治ディレクター、アダム・エルヒライカ氏は28日、ビクトリアフォールズで開かれた同委員会の会合で、アフリカの公的債務は今年から来年にかけてコロナ禍前を上回る水準で高止まりするとの見通しを示した。

エルヒライカ氏によると、アフリカの8カ国が現在、債務返済に行き詰まっており、11カ国は今後、返済に行き詰まる恐れがあると見込まれている。

アフリカは2020年以降、新型コロナウイルスのパンデミックやロシアのウクライナ侵攻、米国の金利上昇といった経済的衝撃に相次いで見舞われ、財政難に陥って多額の債務を抱える政府は政策と財政が縛られる格好となっている。

同氏は「アフリカ諸国は債務返済が行き詰まった問題に対処するため、相手国と協力して取り組む必要がある」と述べた。

同氏は、アフリカの域内総生産(GDP)に対する債務の比率は22年末時点で62.5%だったと指摘。国際通貨基金(IMF)の報告書によると、この比率は20年までの10年間で2倍の57%に上昇しており、アフリカの財政事情が変わらなければ、向こう5年間でさらに10%ポイント上がる可能性がある。

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