新エネルギー産業が地域振興を後押し 中国吉林省白城市

新エネルギー産業が地域振興を後押し 中国吉林省白城市

吉林協聯生物科技の中央制御室で生産計画を立てる作業員。(1月31日撮影、白城=新華社記者/姜明明)

 【新華社長春2月29日】中国東北部の吉林省白城市にあるバイオテック企業、吉林協聯生物科技の生産現場では連日、海外の大手飲料メーカーに輸出されるクエン酸が入った真っ白な袋が次々とスマート製造ライン上を流れている。

 同市は辺ぴな場所にあるが、提携先を求めて国内外から大手企業が押し寄せる。その理由について同社の蔣小東(しょう・しょうとう)総経理は「クエン酸の製造に必要な電力は、当地で大量に供給されるグリーン(環境配慮型)電力で賄えるため、輸出競争力がある」と説明した。

 近隣にある新興の電力会社、大安吉電緑氫能源には、まだ建設中にもかかわらず、多くの受注が舞い込んでいる。同社の喬梁(きょう・りょう)総経理は「多くの外国企業が当社製のグリーンアンモニアを燃料として輸入する計画を進めており、膨大な需要が見込める」と語った。

 同省のクリーンエネルギー発電の設備容量は昨年時点で2500万キロワットと、石炭火力発電を上回った。

 風力・太陽エネルギー資源が豊富で地理的優位性も高い同省西部は、風力・太陽光発電の発展に最適な土地であり、かつて「風と砂の都市」と呼ばれた白城市は荒涼の地から活力みなぎる都市へと変貌を遂げた。

 豊富な電力は地元の需要を賄えるだけでなく、先進技術によって山東省など東部の省にも送電されている。中国大唐集団や中国東方電気集団、中国華能集団など、電力業界を代表する大手企業が続々とこの地に集まっている。

 新エネルギー産業チェーンの集積効果により、川上・川下の関連企業100社余りが協調的に発展してきた。白城市では、大型の風力発電機ブレードから小型のねじやアンカーボルトまで生産できるため、同市の風力発電産業チェーンは「ワンストップ調達」の拠点となっている。

 同市通楡県能源(エネルギー)局の郝忠強(かく・ちゅうきょう)副局長は「当市も以前は輸入に頼っていたが、新エネルギー産業クラスターの形成により、風力発電機から部品に至るまで国産化できるようになり、クリーンエネルギー発電コストの段階的な削減につながった」と説明した。(記者/邵美琦、李双渓)

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