公取委がサンデン(群馬・伊勢崎市)に勧告 下請け61社に自社の金型を無償保管させる

 公正取引委員会は28日、下請け61社に自社の金型を無償で保管させたとして、下請法違反で自動車部品製造のサンデン(群馬県伊勢崎市寿町、朱聃(ジュウダン)社長)に保管費用相当額の支払いと再発防止を勧告した。公取委の試算では、保管費用は総額1億円を超えるという。

 公取委によると、同社は自動車空調用コンプレッサー部品などの製造を61社に委託し、自社で所有する金型などを貸与していた。遅くとも2022年以降、金型などを用いて製造する部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請け業者に計4220の金型を無償で保管させていた。

 金型は大きい物で1メートル四方、重さ2、3トンもあり、最も古い金型は1979年の貸与後、そのまま保管されていた。下請け業者は倉庫を借りて保管するなどし、廃棄を求めたが断られたケースもあったという。

 上毛新聞の取材に対し、同社は「勧告を厳粛に受け止め、金型の管理状況を確認の上、保管費用相当額を速やかに支払いたい。今後の取引で同様の問題が発生することのないよう改善活動を徹底する」とした。

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