妊娠中のセックスは、約6割が「していない」と回答。赤ちゃんへの影響は?妊娠中でもコンドームが必要って本当?ベテラン助産師に聞く

引用元:Sam Edwards/gettyimages

「たまひよ」アプリユーザーに「妊娠中にトータルで何回くらいセックスをしましたか?」と、質問。「していない」が約6割となり、「していた」という人でも「おなかが大きくなる前」という回答が大半でした。一般的には「妊娠中でも夫婦生活は問題なし」と、されていますが、不安を感じる人は多いようです。
総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務し、これまでに数千人の母子のケアに携わられた助産師の浜脇文子先生に聞きました。

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「していない」理由のトップは「妊娠に影響がありそうで不安」

妊娠中にトータルで何回くらいセックスをしましたか?

妊娠中にセックスはしていない 61.8%
1~5回 22.9%
11回以上 7.9%
6~10回 6.1%
その他 1.3%

「していない」というコメントを見ると、

「赤ちゃんに影響がありそうで、しませんでした」(ぽんし)
「したい気持ちにならなかったし、何かあっても怖いから…」(もも)

という理由が圧倒的でした。さらに、

「つわりがひどくて、そんなことしてる場合じゃない」(リリック)

「上の子が早産で、原因は恐らく菌が入ったからだろうとのこと。明確に『夫婦生活が原因』とは言われなかったけど可能性もあるのかな?と思い、今回の妊娠ではする気になれません」(2人目妊娠中)

と、体調を理由にするママもいました。

「おなかが大きくなる前」という声が多かった「1~5回」&「6~10回」

「おなかが目立ち始めてからは、夫も私もパパママモードになり、自然としなくなりました」(ほの)

「赤ちゃんに負担がかかることと、子宮が収縮することが怖かったので、夫に『優しく、そして早めに終わらせたい』と、お願いしていました」(にゃむ子)

「性欲は妊娠前より半減したけど、夫を愛しているのでしたい気持ちの時は正直に話しました。やっぱり愛情を感じるし、気持ち的にも充実感に繋がったので私としてはよかったです。ただ、注意点を後から知った時は焦りました。今後も気をつけたいと思っています」(ぽん)

「夫婦のコミュニケーションとして大事」という「11回以上」

「妊娠中でも夫婦の大事なコミュニケーションとして、夫婦生活はあってよかったなと思います」(りん)

「安定期に入るまで、コンドームをつけて週1のペースでしていました。夜のお付き合いも夫婦円満を保つ大事な行為です」(すもも)

「3人目くらいまではあまりしていなかったのですが、4人目、5人目のときは、あまり気にせず夫がしたいっていうとしていました」(いちかひめ)

「赤ちゃんに影響ありそう」「菌が入った⁉」という心配の声も多くありました。
総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務し、これまでに数千人の母子のケアに携わられた助産師の浜脇文子先生に聞きました。

「妊娠中もスキンシップで、夫婦のコミュニケーションをしっかりと」と、浜脇先生

「『夫婦生活は、赤ちゃんに負担がかかるのでは?』という声がありましたが、赤ちゃんは羊水に包まれているので直接的に『苦しい』という状態にはほぼなりません。
おなかの張りを心配しているママが多くいましたが、妊娠中の子宮は何もしなくても収縮と弛緩を繰り返すこともあります。とくに後期は頻繁に感じますが、妊婦さんであるママが『痛い』と、感じるほどのハリでなければ心配はないでしょう。

また『夫婦のコミュニケーションとして必要』という声は、すばらしいと思います。

私は妊婦さんからよく『出産前にすべきことはありますか?』と、質問されると『夫婦のコミュニケーションをしっかりとり、仲良しでいることです』と、アドバイスしています。
赤ちゃんが生まれれば夫婦での共同作業がぐんと増えます。仲良く連携をとるためにも、産前からコミュニケーションをしっかりとっておいたほうがいいのです。

ただ妊娠中のセックスには注意点もあります。
『妊娠しないから』と、油断する方がいますが、感染予防の為にコンドームは必須です。
さらに精子には陣痛を作用する成分が含まれているので、切迫流産や切迫早産と診断された場合はNGです。

ちなみに予定日を過ぎてもなかなか産気づかない妊婦さんには、夫婦生活を推奨しているほどです。

とはいえ、妊娠中はその気に慣れないと言う妊婦さんや夫さんは多いかと思います。
スキンシップはセックスだけではありません。ハグやキス、手をつなぐ、なども有効な手段です。

妊娠するとどうしても赤ちゃんファーストになりがち。だからこそ、夫婦の時間も大切にしてほしいと思います」

濵脇文子(はまわき ふみこ)

助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年10月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数380人)
※記事の内容は2023年12月の情報で、現在と異なる場合があります。

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