「志を未来へ」絵手紙の普及に努めた小池邦夫さんを500人が悼む 東京・狛江市でしのぶ会 群馬ともゆかり深く

東京都狛江市で開かれた、小池邦夫さんをしのぶ会

 手書きの素朴な絵と文字で心情を伝える絵手紙の普及に努めた書家で、日本絵手紙協会名誉会長の小池邦夫さんをしのぶ会が28日、自宅のある東京都狛江市の狛江エコルマホールで開かれた。来賓や同協会の公認講師ら交流のあった関係者約500人が訪れ、冥福を祈った。

 小池さんは松山市出身。東京学芸大書道科で学び、1985年に日本絵手紙協会を設立。長きにわたって絵手紙文化の普及に心血を注いできたが、昨年8月、胃がんのため82歳で死去した。上武大客員教授、同大の手がき文化研究所長を務め、群馬県ともゆかりが深かった。

 式典では関係者が弔辞を読み、妻の恭子さんは「会場の皆さんの気持ちの中に小池はまだまだ生き続けていると感じています。みなさんの力をお借りして小池の志を未来へと、世界へとつなげていってほしいと願っています」と話した。

 参加者は思い思いの花を描いた自作の絵手紙を花に見立て、祭壇に“献花”した。小池さんと約30年間の親交があった上武大の渋谷朋子理事長は来賓として式典に参加し、自ら描いた絵手紙をささげた。「絵手紙が世界の人々に受け入れられてきたところだった。とても残念」と名残惜しそうに話した。

 しのぶ会は協会と狛江市が主催。同ホールでは3月1日午後2時まで、小池さんの絵手紙や書道作品などを紹介する展示が開かれている。

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