会津漆器の技術磨く 会津大短期大学部2年の大粒来さん(岩手県出身) 今春、後継者訓練校に進学

会津漆器技術後継者訓練校に進み、漆について学びを深めたいと意気込む大粒来さん

 会津大短期大学部産業情報学科デザイン情報コース2年の大粒来莉々さん(20)は今春、会津漆器技術後継者訓練校に進む。国産漆の生産の約8割を占める岩手県の出身だが、会津漆器の魅力に引かれ同短期大学部に進学した。訓練校でさらに技術を磨き、会津漆器の保存に貢献したいと意気込んでいる。

 岩手県奥州市出身。高校時代に岩手県で作られる岩谷堂箪笥(たんす)を知り、漆に興味を持った。漆について学べる大学や専門学校を探す中、会津漆器の存在を知った。現代生活と調和するデザインの多様性に魅力を感じ、同短期大学部への進学を決めた。

 短期大学部で漆工芸が専門の井波純教授のゼミに所属。日本有数の漆の産地である岩手県の浄法寺のインターンシップに参加したり、石川県輪島市の研修旅行に参加したりするなど学びを深めた。

 卒業研究では漆と日本固有種を組み合わせたパズルを制作した。「漆も日本固有種も私たちが守っていかなくてはならないもの」とのメッセージを込めた。器の形をした枠の中に、イタチやオオサンショウウオなどのピースがはめ込まれている。「漆文化と自然の密接な関係を表現できた」と振り返る。

 モダンな器やアクセサリーなど、漆はさまざまな可能性を秘めていると感じる。「伝統は時代に合わせて変化する。さらに知識と技術を身に付け、新しい漆の在り方を探っていく」と力を込めた。

(会津版)

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