チリ・オープンのひどすぎるコート状況に批判殺到!「まるでビーチテニス」「常にケガの恐怖がつきまとう」と散々…<SMASH>

現在開催中の男子テニスツアー「モビスター・チリ・オープン」(2月26日~3月3日/チリ・サンティアゴ/クレーコート/ATP250)の劣悪なコートコンディションに、選手やファンから非難の声が続々と上がっている。

中でも話題となっているのが、海外メディア『The Tennis Letter』の公式X(@TheTennisLetter)が2月28日に公開した、見るに堪えない1本の試合映像だ。十分に整備されていないように見える赤土のコートで2人の選手がラリーを繰り広げているのだが、奥の選手が打ったスライスが地面につくと、ボールは全くバウンドせずに失速。返球しようとした手前の選手はスイングをやめざるを得なくなり、ポイントを失う羽目となった。

映像を見たファンからは「これはひどい」「そんなコートで大会なんかやるな」「このコートコンディションは…情けない」などと批判のコメントが殺到。中には「まるでビーチテニスだな」と皮肉るユーザーもいた。

“ひどすぎる”コートの餌食になってしまった選手は他にもおり、先週の「リオ・オープン」(ATP500)で歴代5番目の若さとなる17歳6カ月でのツアーベスト8進出を果たした世界343位のジョアン・フォンセカ(ブラジル)もその一人だ。

米テニス専門サイト『Tennis Majors』によると、現地27日の1回戦でチアゴ・アグスティン・ティランテ(アルゼンチン/100位)と対戦したフォンセカはあるラリーの最中、ベースライン上でボールを追いかけている時に土の粘着部分に右足を取られて転倒。そのままポイントを失ったフォンセカは、立ち上がってから苛立った様子でコートを蹴る仕草を見せたという。
今大会で初戦敗退を喫したクレーコーターのロベルト・カルバレスバエナ(スペイン/66位)も劣悪なコートコンディションに怒りを禁じ得なかった。試合後に応じた海外メディア『CLAY』のインタビューで、ATP(男子プロテニス協会)や大会側へ向けて以下のように痛烈な批判の言葉を口にした。

「トーナメントがクソであんなコートの状態ではプレーできないということ以外、他に何が言えると言うんだ? あのコートでツアー大会が行なわれるなんて残念なことだし、選手たちにとって危険だとも思う。この大会が二度と開催されないことを願っているほどだ」

「テニスが成り立たなくなるし、試合も運で決まる感じになる。バウンドもひどいし、それどころか時にはバウンドしないこともある。常にケガの恐怖もつきまとう。実際、力を入れるたびに、足が(土に)沈んでいたため、動きを安定させようとするのも怖かった。背中に不快感を覚えた瞬間もあったよ」

どの大会にも言えることかもしれないが、やはり第一には選手が安心してプレーできる環境を整えてあげてほしいもの。今後はこのようなことがないよう祈るばかりである。

文●中村光佑

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