「まさか…」遊具施設で見つけた“ナスの形をした自転車”で憶測が広がる ⇒ メーカーからの回答が「え、そっち?」だった

遊具施設に置いてあった子ども向けの自転車が、なぜかナスの形をしていました。一体、なぜナスなのか。ふとした疑問をSNSに投稿したところ、メーカーからまさかの種明かしがありました。

遊具施設にあったナス型自転車「まさか…NASCARか…?」

発端となったのは、EXCELさん(@EXCEL__ )が2月20日、X(旧Twitter)に投稿した1枚の画像でした。
同月18日、子どもを連れて千葉県内の遊具施設に行ったところ、ナス型の自転車が置いてあったそうです。「どういう理屈でナスなんだろうか?」とパートナーの方と疑問に思って話し合ったそうですが、「まさか…NASCARか…?」と結んでいます。
NASCAR といえば、アメリカで70年以上の歴史を誇る人気カーレースです。メーカーの担当者がモーターレース大好きで思いあまってギャグで作ってしまったのでしょうか。
💬 「NASCARやったらアツすぎる」
💬 「ナス乗り心地良さそうだしな」
💬 「野菜(サイ)クリングということなのかも」

まさかの種明かし「社長が精霊馬イメージで作成した」

SNS上で、さまざまな予想や反応が飛び交うものの正体は不明でしたが、投稿の翌日の21日に、まさかの種明かしがありました。
この自転車を制作した自転車メーカー「 オートクラフト.IZU 」(静岡県 伊豆市)の公式アカウント( @auto_craft_IZU )がEXCELさんにリプライしたのです。

そこには「社長がナスときゅうり好きなのと精霊馬イメージで作成した」と回答が! お盆で飾られるナスとキュウリの精霊馬(しょうりょうま)がモチーフだったことが明らかになりました。
ちなみに今回、EXCELさんの投稿は社内で話題になり「社長含め車好きの弊社社員達にNASCARが大好評」だったとのことです。
「勢いでナス自転車の名前がNASCARになる所でした…」と改名する寸前だったこともつづられていました。

なすサイクル(オートクラフト.IZU提供)
きゅうりサイクル(オートクラフト.IZU提供)

精霊馬モチーフの理由は「自分が死んだ後乗って帰って来れるように、あとは乗りやすそうだから」

しかし、子ども向けの自転車でなぜ精霊馬……? どういう狙いなのでしょう。BuzzFeed Japanでは、オートクラフト.IZUの専務取締役・高田二郎さんに理由を聞きました。
――今回話題になった「なすサイクル」と「きゅうりサイクル」ですが、いつから販売しているものでしょうか?
社長の記憶が曖昧ですが、なすサイクルもきゅうりサイクルも2000年には販売開始しております。
――「社長がナスときゅうり好きなのと精霊馬イメージで作成した」ということですが、なぜ精霊馬をモチーフに選んだのですか?
本人いわく自分が死んだ後乗って帰って来れるように、あとは乗りやすそうだからだそうです。
――作成した際には、アメリカのモーターレースである「NASCAR」は意識されましたか?
全く意識していなかったようです。
――「2年ほど1台も売れていなかった」と公式サイトには記載されていましたが、今回の件で購入の問い合わせは来ているのでしょうか?
まだ来ておりません(笑)。FRPの型を磨いておきますのでご注文お待ちしております。
――今回「NASCAR」が元ネタではないか? という投稿が話題になったことは、社内ではどう受け止められましたか?
弊社は車マニアの社長をはじめ、日産やTOYOTAの元社員など車好きが非常に多く、NASCARの件がミーティングで議題に出た時には「その発想はなかった」「うまい!」「レースさせよう!」など大いに盛り上がり、その場のノリで名前が「ナスCAR」に決まりかけました。
――アンケート結果でも「ナス・CAR」「キュー感CAR」が過半数を締めましたが、実際に改名の予定はありますか?
正直ございます。投票して下さった15000人を超える皆様の意思を無駄には出来ませんし、弊社社員達含め正直私も気に入っているので、近日中に改名するかと思います。
――最後になりますが、オートクラフト.IZUがどんな業務をしている会社か教えてください。
弊社は変わった形の自転車をメインに、ハウステンボスにある電動式4人乗り自転車や、奄美大島にあるサイクル列車、飛騨高山のタンデム式ガッタンGOなど、様々な乗り物を作成し販売やレンタルをしている会社です。
近年は目が見えなかったり足や手が動かなくても安全に乗れたり、お年寄りの楽しいリハビリになったり、それでいて健常者の子供や大人が乗っても誰が乗っても楽しい、属性や年齢を問わず誰でも同じ場所で、同じもので一緒に遊べるような自転車を開発しております。

なす型自転車、SNSの拡散がきっかけで公式サイトのカタログに復活

実は投稿が話題になったあと、2年間1台も売れていなかったので泣く泣く消したという「なすサイクル」「きゅうりサイクル」が公式ホームページ内のカタログに復活したそうです。

精霊馬っぽい見た目だけに、お盆の時期に乗ればご先祖様が事故から守ってくれるかもしれませんね。
オートクラフト.IZUでは、今回話題になった自転車以外にも、クラシックカーを模した4人乗りの自転車「カルテットサイクル」やバギー用のタイヤを使用した三輪車「バギーサイクル」など個性的な乗り物を多数制作しています。
カタログを見ているだけでもワクワクしちゃう!

クラシックカーを模した4人乗りの自転車「カルテットサイクル」(オートクラフト.IZU提供) / Via omosirojitensha.com
バギー用のタイヤを使用した三輪車「バギーサイクル」(オートクラフト.IZU提供) / Via omosirojitensha.com
30年以上売れ続けているロングセラー商品「かるがもサイクル」(オートクラフト.IZU提供)

このほか、オートクラフト.IZUでは、静岡大学および順天堂大学と共同で「インクルーシブ自転車 」の開発を進めています。

これは、障がいを持つ方々でも自転車を楽しめるようにペダルをこがなくても進むことができるように工夫されているそうです。
こちらも、より多くの人に知られて欲しいですね。

インクルーシブ自転車試作2号車。左右のハンドルを回すことにより進むことが出来るそうです(オートクラフト.IZU提供) / Via omosirojitensha.com

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