ECB下限金利、銀行需要反映した設定に 来月にも発表=関係筋

Francesco Canepa Frank Siebelt

[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は今後も市場の実質的な「下限金利」を設定するが、必要とされる流動性の規模を決定する上で市中銀行がより大きな役割を果たす見込み。4人の関係筋がロイターに明らかにした。

ECB当局者は先週フランクフルトで開かれた会議で「下限金利」を続けることで合意した。

しかし関係筋によると、超過準備預金を今後数年間で吸収した後は、銀行システムに供給する流動性の量をECBが単独で決定する方式を変更する。イングランド銀行(英中央銀行)が行っているように、市中銀行が必要な資金を中銀から借り入れることで流動性の保有量を決定する仕組みを導入する。

その一環として主要リファイナンス金利を現在の4.5%から引き下げて中銀預金金利の4.0%に近づけ、貸出金利と預金金利の幅を狭くする「ナローコリドー」システムを採用するという。

当局者はまた、銀行間市場の指標であるユーロ短期金利(ESTR)について、ECBの預金金利付近で一定程度変動することを容認することでも合意した。

「需要主導型下限金利」と呼ばれるこの新しい枠組みは、早ければ金利決定のない3月13日の理事会で公表される可能性がある。

現時点では1%としている銀行の最低預金準備率を変更する計画はないが、一部の当局者が変更を提案する可能性があるという。

ECBが保有する債券の規模をどの程度にするかや、短期証券を中心とするか、それより長めの債券も含めるべきかについては議論が続いているとした。

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