広島・尾道市立市民病院 移転建て替えへ 建設地は約2㎞離れた東尾道に 「地域医療守り効率的な病院運営を」

広島県尾道市は、老朽化が進む尾道市立市民病院を移転して新たな病院を建設する方針を示しました。

尾道市立市民病院は、1983年に新高山地区に建てられました。外来や入院病棟などの機能を担う本館は築40年、放射線医療センターは築35年を迎えました。

▽廊下が狭く、患者をベッドで搬送する際にすれ違いが難しいことや▽いま以上の大型の医療機材の導入が困難なことが課題となっていました。

これらを解決するため、尾道市は2023年9月から医療や福祉関係者を交えて市民病院の基本計画を検討してきました。21日に開かれた委員会で新たな病院の概要が示されました。

RCC福山放送局 内田博文記者
「JR東尾道駅から徒歩15分のここ、おのみちバス本社の位置と隣接する緑地帯に新たな市民病院が建設されるということです」

計画によりますと、病院は、現在地から約2キロ東に移転します。東尾道地区にある尾道消防署の南東側のおのみちバスと、そばの緑地帯を合わせたおよそ1万1500平方メートルに病院を建設します。

早期に開院できることや利用者や職員の利便性など複数の観点から候補地を選定したといいます。ただ、立地場所は「浸水想定区域」に含まれるため、▽敷地のかさ上げや▽地盤改良などの対策を講じ、▽電源設備も病院の最上階に設置して、災害時でも医療体制を保てるようにするということです。

病床数は現在の282から220程度に減らします。将来的な人口減少や患者数の減少を想定したということです。

尾道市の突沖満則・病院事業管理者
「市民病院としては、地域医療を守るところが一番大きな問題ですので、それに向けて効率的に運用できる病院にしたい」

新病院の建設にかかる費用は概算で180から200億円を見込んでいます。着工時期や、開院時期などは未定です。

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