“ゾーン”に入り劇的勝利を演出したレブロン、球団21年ぶり&キャリア最大の4Q逆転劇に「ゲームは“ダブルゼロ”が灯るまで終わらない」<DUNKSHOOT>

NBAの“キング”が、改めてその支配力を誇示した。

現地時間2月28日、ロサンゼルス・レイカーズは同じLAに本拠地を置くロサンゼルス・クリッパーズとの“ホールウェイ・シリーズ”に116-112で勝利。第4クォーター序盤に最大21点ビハインドを背負いながら、大逆転で同地区のライバルを下した。

劣勢の展開を跳ね返したのは、大黒柱のレブロン・ジェームズだった。

前半を終えて52-66の14点差、第3クォーター終了時点でその差は拡大し、19点ビハインドという絶体絶命の状況。第4クォーター開始直後にはこの試合最大の21点差をつけられたが、ここでレブロンが奮起。勝利を諦めずテンポよく3ポイントを放つと、最初の3分半で3本を沈めて9点差とする。

アリーナに反撃のムードを作ると、ここからレイアップ2本を挟んでさらに2本の3ポイントをヒット。残り4分36秒に5本目を成功させた時点で試合は104-106の2点差、レブロンはこのクォーターのクリッパーズの総得点(16)を上回る19得点をあげていた。

その後は相手のマークを引きつけたところで八村塁の勝ち越し3ポイントと、ディアンジェロ・ラッセルの決勝弾をお膳立て。最後の12分間でレイカーズは13本のフィールドゴールを成功させたが、うち11本(シュート7本+アシスト4本)がレブロンによって生み出されたものだった。
第4クォーター開始時点で19点以上のビハインドを巻き返しての逆転勝利は、レイカーズとしては2003年4月4日のメンフィス・グリズリーズ戦以来21年ぶり。この時は23点差を追いつき、最後はコビー・ブライアントのブザービーターで1点差勝利(102-101)をモノにした。

試合後、21年ぶりの事実を聞かされたレブロンは「ゲームは“ダブルゼロ”(時計の00秒)が灯るまで、決して終わらない」と誇らしげにコメント。会見ではゾーンに入っていたことを明かした。

「自分が打ったボールがすべて入るような感覚だ。ただテンポをコントロールし、ゲームを支配しようとしただけ。ゾーンは言葉では言い表わせない。ずっとその中にいられればいいんだけど、試合が終わるとチェックアウトしてしまうんだ。試合中は何も感じない。ただ、“スーパーパワー”がそこにあるんだ」

ちなみに、現地メディアの報道によれば第4クォーターでの21点差逆転は、レブロンの21年のキャリアで最大だという。39歳にして、自らの力で記録を塗り替えてしまうとは驚くばかりだ。

レイカーズとしてもクリッパーズには過去11連敗を喫するなど近年は苦手意識が強かったが、今季は全4試合を終えて3勝1敗と2011-12シーズン以来の勝ち越しを決めた。32勝28敗でカンファレンス9位と依然として負けられない戦いが続くなかで、希望が灯る1勝になりそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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