さつま町弾薬庫整備は「国で検討している」 塩田知事、容認姿勢にじませる「情報提供求めていきたい」

鹿児島県の塩田康一知事

 防衛省が鹿児島県さつま町で整備を検討している弾薬庫(火薬庫)に関し、鹿児島県の塩田康一知事は29日、「防衛上の安全保障政策は国会で議論し、国で検討している」と国の専管事項であることを強調。受け入れる姿勢をにじませた。塩田知事が見解を示したのは初めて。

 県議会一般質問で共産の平良行雄議員(鹿児島市・鹿児島郡区)が受け入れないよう求めたことへの答弁。

 塩田知事は「国を取り巻く安全保障環境は大変厳しい」と前置きし、「住民の不安、懸念が生じないよう国に丁寧な情報提供を求めていきたい」と続けた。

 さつま町の上野俊市町長は「協力できることはしていきたい」と容認の意向を示している。

 防衛省は2024年度から適地調査を中岳周辺(さつま町永野、中津川)で予定している。24年度当初予算案に2年分の調査費として10億円を計上。調査期間中でも整備が可能と確認できれば、設計や工事を実施する見通し。

© 株式会社南日本新聞社