「経験がものを言った」なでしこのパリ五輪決定に佐々木則夫女子委員長、ブラジル遠征が糧に 移動の経緯は過去の事例踏まえ「強行時は体調を崩す選手も」

パリオリンピック出場を決め、サポーターと記念撮影をするなでしこジャパンの選手・スタッフ[写真:©超ワールドサッカー]

なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)がパリオリンピック出場を決めた試合後、日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子委員長もミックスゾーンに姿を見せ、ブラジル遠征や過去の経験が今回の勝利に繋がったとコメントした。
【写真】パリ行きのチケットを手に選手全員で記念撮影

なでしこジャパンは28日、パリ・オリンピックアジア最終予選第2戦となる北朝鮮女子代表戦を国立競技場で行い、2-1で勝利。2戦合計スコアを2-1とし、2大会連続6度目のオリンピック出場権を獲得した。

同じ相手と中3日で連戦という、女子サッカーでは希少な条件だったが、これを見据えて行ったのが昨年12月のブラジル遠征。佐々木委員長は「(ブラジルでは)アウェイで2試合でしたけど、同じ相手と続けざまに2試合行うことをシミュレーションして、初戦は3-4で敗れたが、そのあとは(2-0で)勝って、得失点差もうちの方が上でした。今回の1戦目も厳しい状況ではあったけれど、経験がものを言ったのではないか。今日の試合は特にそれを感じました」と饒舌だった。

第1戦では直前まで開催地が決まらないというイレギュラーな事態に。ただ、それも「逆にそういうエクスキューズが、現場のスタッフや選手の気を引き締めることにつながった。そういった状況の中で力を合わせての、チームとしての勝ちだったではないか。昔もそうでしたけど、エクスキューズを力に変えて結束する、そういうところはでしこジャパンのいいところ」と、なでしこジャパンのチームとして、伝統として、逆境を乗り越える力が備わっているとコメントした。

さらに、第1戦後の移動についても経験を踏まえてのものだったと語る。

北朝鮮が24日の試合後、すぐに移動したのに対し、日本は翌日に現地でのリカバリートレーニングを挟んで26日に帰国。過去には直後の移動も経験したが、その際に体調を崩した選手もいたことから、今回は回復を挟んでの移動を選択したと明かした。

「コンディションは全員ケガもなく、病気等もなく、風邪をひくこともなく、非常に良い状況でこられました。これも前に経験しているんですが、強行ですぐヨーロッパから帰ってきたときに、ちょっと体調を崩した選手もいたんです。なので、何事もシミュレーションや遠征の経験などが、今日の、今回のゲームにつながったのではないか。いい準備の中の、いい結果だったのではないかなと思います」

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