「青天の霹靂」初の特A陥落、「はれわたり」は正式特A 青森県産米・食味ランキング

食味ランキングの結果について報道陣の取材に応じる宮下知事

 日本穀物検定協会(東京)は29日、2023年産のコメの食味ランキングを発表した。参考品種を含め10回目の出品となった青森県産ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」は初めて最高評価の「特A」を逃し、1段階下の「A」評価だった。昨夏の記録的猛暑が食味に悪影響を及ぼしたとみられる。新品種「はれわたり」は参考品種だった22年産に続き、正式出品でも特Aを獲得。「まっしぐら」は一つ下げ「Aダッシュ」だった。

 ランキングは複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準に、協会が選抜した評価員が白米の外観や香り、味、粘りなどの6項目で採点。特AからBダッシュまでの5段階で評価する。

 青天の霹靂は、青森産技センター農林総合研究所(黒石市)が開発し、15年秋に市場デビュー。参考品種だった14年産から22年産まで9年連続で特Aを獲得していた。

 県農産園芸課によると、一般的には登熟期(もみの中の実が成長する時期)に異常高温が続くと、エネルギーを消耗して実に甘みやうまみがたまりづらく、食味が落ちやすいとされる。青天の霹靂が作付けされる津軽地域では特に猛暑の影響が大きかった。

 日本穀物検定協会の井出道雄会長は「津軽の生産者が心血を注ぎ細かいところまで注意して米作りをしていることは知っているが、昨夏の気象条件はそういうレベルを超えていた。この経験を踏まえ今後も努力してほしい」と述べた。

 ランキング対象となったのは全国144銘柄(参考品種除く)。特Aは43銘柄で、22年産から3銘柄増加した。Aは78銘柄、Aダッシュは23銘柄で、BとBダッシュはなかった。関東以西では高温耐性のある品種のランク上昇が目立った。

 04~22年産まで19年連続でA評価だった「つがるロマン」は、はれわたりへの切り替えに伴い23年産は出品しなかった。

 県庁で取材に応じた宮下宗一郎知事は「霹靂は高温でやむを得なかった部分がある。来年度は再スタートの気持ちで生産者と一丸となり、指導を徹底して特A復活に向けて頑張っていきたい」とコメント。一方、「はれわたりは気候変動に対応するために開発された品種でもあり、力を発揮できた。これからも自信を持って販売し、私自身も素晴らしいお米だとPRしていきたい」と話した。

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