「国民には税の申告させるのに」「透明性高める仕組み必要」確定申告会場の鹿児島県民、衆院政倫審で政治家に批判次々

 自民党派閥による裏金事件を受け、29日に始まった衆院政治倫理審査会。「国民にはきちんと申告させるのに」「政治不信が深まるばかり」-。鹿児島県内の確定申告会場を訪れた納税者は、政治家の順法意識の低さを次々に批判した。

 鹿屋市の会場を訪れた同市郷之原町の男性(62)は書類不足のため出直すことに。「国民はこんなに難しい手続きをしなければならないのに」と嘆く。「裏金作りは国民を裏切る行為。政治不信から選挙に行かないと言う人が増えそう」と案じた。地元選出の自民・森山裕総務会長の名を挙げ「公明正大な説明が聞かれるよう、その手腕を発揮してほしい」と期待した。

 開催するかしないか、公開するかしないかで党内は二転三転。「俺が出る」と打開を図った岸田文雄首相の言葉は、実態解明とは程遠い内容だった。鹿児島市真砂本町の主婦(75)は「首相の出席より他の議員一人一人の本音が聞きたかった。今後も名称や手段を変え、同様の裏金事件がなくなることはないだろう」。同市紫原3丁目のアルバイト男性(69)は「求心力がないために、自らが出席するほか手段がなかったのでは」と言い放った。

 薩摩川内市樋脇町市比野の会社員男性(64)は「国民にはきちんと申告させるのに、高収入の国会議員が裏金を作るなんて許せない」と憤る。派閥からの環流が始まった経緯や使途など真相究明につながるような説明がなければ意味を成さないとし、「透明性を高めるような仕組みが必要だ」と話した。

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