「イ・ガンインは知らなかったんだ」韓国サッカー界の大御所が“ピンポン事件”に厳しく言及!「我々には守るべき美徳がある」

韓国サッカー界が誇るスーパーレジェンドが、いわゆる“ピンポン事件”に対して独自の見解を示した。かつて1980年代にブンデスリーガで屈強なFWとして活躍。韓国サッカーのパイオニアとなって、のちに韓国代表監督も務めたチャ・ブングン氏だ。

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先のアジアカップ2023で勃発したのが、韓国代表チーム内での衝突だった。準決勝ヨルダン戦の前日、夕食の場で先に食べ終えていた若手グループが卓球をはじめて騒ぎ出すと、チームの結束を重んじるソン・フンミン主将が激怒。イ・ガンインに注意すると口論に発展して揉み合いとなり、チームメイトたちが割って入るなかでソン・フンミンが指を脱臼する怪我を負った。

翌日のヨルダン戦で韓国は0-2の完敗。代表チームは国内で大バッシングに晒され、ピンポン事件が暴露されると、イ・ガンインに非難が集中した。本人はすぐさまSNSで謝罪し、その後にパリからロンドンへ出向いてソン・フンミンにも直接詫びを入れて火消しに奔走したものの、いまだ批判的な声は止んでいない。

そんななか、現地2月29日にチャ・ブングン氏が貴重な意見を発した。自身が主宰するサッカー賞の授賞式に出席。その場で「アジアカップを終えて、23歳のイ・ガンインが世界から批判を受けている。彼は知らなかったんだ。きっと驚いただろう。スペインやフランスでは取るに足らない振る舞いが、韓国のファンをここまで怒らせるとは夢にも思わなかったに違いない」と話した。

さらに70歳を迎えた重鎮は「私もドイツ時代、監督に激しく怒りをぶつける同僚選手の姿に驚かされたことがある。だが西洋にあって、異なる価値観をぶつけあうのはごく自然な行動だと理解した」と前置きしつつ、「現在の代表チームには東洋と西洋の文化の違いに加えて、世代間の考え方の違いもあるようだ。東洋特有の犠牲や謙遜を大事にした人間関係は、もはや時代遅れで無用なものだと考えられるかもしれない。しかしこれは間違いなく我々が守るべき財産であり、美徳なのだ。若者たちが理解していないなら、我々大人や先輩選手が教えてあげなければならない」と力説した。

そして、「彼に韓国代表が大事にしてきた特有の価値観や雰囲気を教えることができなかった。私を含めた大人たちは叱責されるべきだ」と自身をも戒めた。

大韓サッカー協会は2月16日に韓国代表のユルゲン・クリンスマン監督を解任。3月21日と26日に行なわれるワールドカップ・アジア2次予選(タイとの2連戦)では、U-23代表チームを率いるファン・ソンホン監督が暫定的に指揮を執ると発表した。イ・ガンインがそこで招集されるのか否かに大きな注目が集まっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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