TBSテレビとWOWOW、「Live Multi Studio」を一般向けに無償提供開始。映像・音声・制御信号伝送ソフトウェア

TBSテレビとWOWOWは、TBSで特許取得済みの独自技術を用いた、超低遅延かつ安定性のある映像・音声・制御信号伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」(以下、LMS)を共同で開発し、一般向けに無償提供を開始した。

LMSを利用することにより、遅延をほとんど感じさせない次世代のリモート映像制作の実現などが可能となる。LMSは、macOSアプリ、iOSアプリとして提供される。

また、カナダのDerivative社が提供するビジュアルプログラミング環境「TouchDesigner」のプラグインとしても配布され、TouchDesignerが利用可能な環境下でも使用できる。

iOSアプリ(使用イメージ)
macOSアプリ(使用イメージ)
TouchDesignerプラグイン(使用イメージ)

開発の背景

TBSとWOWOWは2014年より共同プロジェクトとして、複数の映像ソースを同時に視聴できる超低遅延マルチアングル配信アプリケーション「Live Multi Viewing」を開発し、様々な施設や大型スポーツイベント等で採用されている。

さらにTBSとWOWOWは、低遅延で映像・音声・制御信号を送ることができるプロトコル「LMS」を新たに開発。遠隔から番組制作を行うリモートプロダクション内での超低遅延なモニター環境構築やカメラのリモートコントロールでの利用など、両社内での十分な実績を積み、このたび、一般ユーザーも使いやすいソフトウェアとして提供を開始するに至ったという。

伝送の低遅延性を強みにカメラのリモートコントロールもストレスなく実現できるという。映像制作分野では、LMSによるリモートプロダクションの実現により制作コストの削減を可能とし、また映像制作分野以外でもイベントやメディアアート、建設等多くの分野における作業のリモート化を可能としている。

LMSの特徴

  • 現場発信:TBSと WOWOWが独自開発。現場の要求水準を満たす高品質サービス
  • 低遅延:0.1秒以下の超低遅延伝送と、パケットロス 再送要求による安定性も両立
  • 簡単接続:インターネット経由にも関わらずポート開放不要
  • 制御信号:リモートカメラなどの制御が可能
  • 高信頼性:最新の暗号化技術「 ChaCha20-Poly1305」でデータを暗号化
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「超低遅延」技術イメージ

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想定される利用シーン

■リモートプロダクション

  • 現場から離れた遠隔拠点からも、カメラ操作や映像切替が可能になる。

■番組・動画・イベント映像制作

  • スマートフォン(iOSアプリ)カメラも含めて、複数のカメラ映像でのスイッチングも可能な撮影環境作りが個人レベルでも可能。ライブハウス、劇場、展示場、競技場等で催されるイベントにも活用できる。

■機器遠隔制御

  • 超低遅延の映像・音声・制御信号を活かし、人の立ち入りが困難な現場の機械コントロールなどが可能。

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