国東市の富来小、能登地震被災の小学校に文房具贈る 25年前、同じ漢字の校名が縁で交流【大分県】

文房具の箱詰め作業をした児童と加藤正和さん(後列右から2人目)ら=国東市の富来小
両校の交流を伝える大分合同新聞の記事を読む児童ら
両校の交流を伝える2000年3月9日付大分合同新聞の記事

 【国東】国東市国東町の富来(とみく)小(宮川洋校長、85人)は、能登半島地震で被災した石川県志賀町の富来(とぎ)小に寄付で集めた文房具を贈る。両校には約25年前、同じ漢字の校名が縁で交流した歴史がある。児童は「体に気を付けて勉強に頑張ってほしい」と願っている。

 当時、富来(とみく)小で研究主任をしていた加藤正和さん(73)=国東市国東町小原=によると、「総合的な学習の時間」を利用して互いに手紙や調べ学習の成果を送り合った。今回、加藤さんが富来(とぎ)小の被災をニュースで知り、支援を提案。宮川校長らが話し合い、校内で文房具を募ることを決めた。

 2月28日、集まった鉛筆777本と消しゴム120個を児童らが箱に詰めた。「一日も早く元気な笑顔が戻ることを願ってます」などと書いたメッセージも添えた。

 交流当時の様子を伝える大分合同新聞の紙面(2000年3月9日付)を加藤さんが持参。児童らは興味深そうに記事を読み、先輩たちの活動に思いをはせた。

 富来(とぎ)小は1月1日の地震発生から約2カ月が経過した現在でも校舎が使えず、児童(本年度当初99人)らは近くの富来中で授業を受けている。同小の関係者からは「物資が不足しているので大変ありがたい」と感謝されているという。

 「遠く離れた人たちの役に立つことができてうれしい」と富来(とみく)小児童会長の神林永統(ながと)君(11)=5年。加藤さんは「皆さんの温かさがきっと伝わるはず。互いに助け合う気持ちをずっと忘れないでほしい」と児童たちに呼びかけた。

 文房具は3月1日、富来(とぎ)小に届けられる。

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