有田工業高校がシェアハウス「ありこや」 佐賀県外生用に空き家活用

地域の人にシェアハウスを案内する生徒の世話係の佐々木元康さん(右、NPO法人灯す屋代表)=有田町白川

 佐賀県外から有田工業高に入学する生徒のためのシェアハウスが、有田町に完成した。同校は2022年度入試から生徒の募集を全国に拡大しており、受け皿となる住まいをつくるために空き家を改修した。男子棟と女子棟の2棟があり、2月26日に地域の人にお披露目された。

 全国募集は一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」(島根県)が企画する「地域みらい留学」の事業を利用している。少子化に悩む公立高校と地方で学びたい生徒をつなぐ取り組みで、県内では唐津青翔高(玄海町)も24年度入試から参加している。

 有田工業高には22年度に1人、23年度には6人が東京都や広島県などから入学し、下宿やアパート暮らしをしている。学校に寮はなく、今後も受け入れを続けるためには住まいの確保が必要になり、同プラットフォームが空き家を活用して受け皿をつくった。2棟の改修費のうち約1千万円を県教委と町が支援する。

 シェアハウスはいずれも2階建ての一軒家で、定員は各4人。6~8畳の個室や共有スペースなどがあり、月額利用料は8万5千円(平日の夕食代、水光熱費、消耗品費含む)になる。名前は高校の愛称「有工(ありこう)」にちなんで「ありこや」にした。

 完成お披露目会には、地域の人ら大勢が訪れた。近所に住む田中祐喜子さん(86)は「空き家が増え、子どもが減って寂しい思いをしていたので、若い人の声が聞こえるようになるのはうれしい。地域に溶け込んでもらい、仲良くしたいですね」と4月になるのを楽しみにしていた。(青木宏文)

シェアハウスの男子棟の外観=有田町白川

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