駅の「愛称」30万円から付けられます 津軽鉄道(青森県)が命名権売り出し

津軽飯詰駅に到着した津軽鉄道の列車。副駅名が決まった駅については「副駅名標」がホームに設置される

 青森県五所川原市と中泊町を結ぶ津軽鉄道(澤田長二郎社長)は29日、鉄路維持のための資金調達策として、新たに「副駅名ネーミングライツ事業」を行うと発表した。12ある駅それぞれについて副駅名(愛称)を付ける権利を販売する。3月1日から募集する。

 ネーミングライツの販売価格(最低希望価格)は、乗降客数や駅の知名度などを踏まえて設定した。津軽五所川原が150万円と最も高く、次いで金木、津軽中里が130万円。津軽飯詰と嘉瀬、芦野公園が50万円で、そのほかは30万円となっている。最初の契約期間は2025年3月末までとなる。

 企業、団体、個人が申し込めるが、副駅名は親しみやすさや呼びやすさなど、利用者の理解が得られるものであることが条件。駅でのイベント開催など活性化のための提案も併せて受け付ける。沿線関係者による審査などを行った上で、1駅について原則1件の命名権者「ネーミングライツパートナー」を決める。

 1回目の募集期間は今年3月末までで、決まった駅については早ければ4月中にも「副駅名標」をホームに設置する。また、津軽半島観光アテンダントが乗務する時間帯は、車内でも副駅名をアナウンスする。決まらなかった駅については随時募集していく。

 人口減少やマイカー利用の増などで津鉄の経営は厳しい状況が続いている。澤田社長は「鉄路を守るため、何とか希望者が現れてほしい」と話している。3月1日に募集要項などを公式ホームページに載せる予定。問い合わせは津鉄(電話0173-34-2148)へ。

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