「土手町おじさん」シソンヌじろうさん、昔の商店街の様子語る れんが倉庫美術館(青森・弘前市)

弘前市土手町について語り合うじろうさん(中)、齋藤さん(右)と引田さん

 青森県弘前市土手町の3商店街が公認した「土手町おじさん」第1号で、お笑いコンビ「シソンヌ」のじろうさん(45)=同市出身=が2月23日、弘前れんが倉庫美術館で開かれたトークイベントに出演した。土手町おじさん第0号で、同町で長年CD・レコード店JOY-POPS(ジョイポップス)を経営する齋藤浩さん(68)らと、昔の土手町商店街の様子や思いを語り合った。

 「土手町ラジオ」と題したイベントは2022年5月に続き2回目で、架空のラジオ番組が舞台。じろうさんと弘前高校の同級生で、同館スタッフの引田幹生さんが聞き手を務め、70人が来場した。

 じろうさんは、土手町おじさんと呼ばれる存在について「いつも土手町で見かけて、あの人何やってんだべ?と気になる人。今は違うが昔は危ない存在だった」と紹介。齋藤さんは「昔はチャリ(自転車)に乗って絶叫するおじさんがいたね。昭和にも平成にもいたし、令和にもいる」と話した。

 昔の土手町にはいろいろな喫茶店があり、デートでは女の子に合わせて行く店を変えていた-と齋藤さん。「蓬莱橋の下は人目につかないデートコース」と言うと、じろうさんらが「でもあそこは昔、小便臭かったよね」と返した。

 他にも「老舗喫茶店ブルーエイトの謎の張り紙」「土手町にたい焼き屋が進出できないのは黄金焼の人気が高すぎるから」など、さまざまな話題で盛り上がった。

 来場者からも「帽子屋の壁に描かれた人が夜中に踊り出す」「土淵川でサケを捕まえようとしてお巡りさんに捕まったおじさん」などの面白エピソードが寄せられた。

 子ども時代のにぎわっていた土手町を「本当にいい所だった」と懐かしんだじろうさん。市内の女子高が共学に変わり、街から男子のロマンがなくなったといい、土手町の活性化策として「元ゲームセンターの空き店舗に女子高をつくるしかない」と力説した。齋藤さんは「新しいのがもてはやされ、古い店はなくなってからみんな残念がる。大切な店にはお金を落として」と呼びかけた。

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