南中国海での権利侵害と挑発に「断固対抗する」 中国国防部

南中国海での権利侵害と挑発に「断固対抗する」 中国国防部

中国国防部の張暁剛報道官。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京3月1日】中国国防部の張暁剛(ちょう・ぎょうごう)報道官は2月29日の記者会見で、中国の船がパトロール中のフィリピン沿岸警備隊の艦船に接近したと同沿岸警備隊が主張したことについて記者の質問に答えた。

 記者:フィリピンと米国はこのほど、南中国海で合同海上軍事演習や合同空中パトロールを実施し、中国人民解放軍南部戦区が同時期に南中国海で海空兵力を動員してパトロールを行った。フィリピンは海洋に関する主張を後退させることはないとしている。フィリピン沿岸警備隊の報道官は中国の船が国際海上衝突予防規則(COLREG)に違反し、黄岩島でパトロール中のフィリピン沿岸警備隊の艦船に接近したとした。これについてどう考えるか。

 報道官:フィリピンは一時期以来、域外の国を引き込み、南中国海を混乱させ、いわゆる「合同軍事演習」や「合同パトロール」を実施し、騒ぎ立て、「南中国海に関する行動宣言(DOC)」の精神に著しく背き、地域の平和と安定を脅かし、地域諸国による南中国海の平和と安定を守る努力に背いている。米国は南中国海問題の当事国ではなく、南中国海問題で特定の立場を取らないという約束を守り、介入や干渉をやめ、トラブルを引き起こす悪意ある行為を停止すべきだということは、強調しておかなければならない。

 フィリピン側の発言は完全に是非を混同させ、悪意をもって誇張している。フィリピン沿岸警備隊はこれまで何度も中国の黄岩島近隣海域に不法侵入しており、中国は法に基づいて警告や排除、航路管制などの措置を取ってきた。現場の対応は専門的、自制的、合法的で理にかなっていた。中国は黄岩島とその近隣海域に対し、争う余地のない主権を有している。われわれはフィリピンに対し、独断専行をやめ、トラブルを起こすことをやめるよう促す。中国は引き続き管轄海域で権利維持・法執行活動を実施し、国家主権と海洋権益を断固として守る。

 南中国海は地域諸国共通のふるさとである。中国は関係の当事国との対話・協議を通じて意見の相違の管理コントロールを堅持する。あらゆる権利侵害・挑発行為に対し、中国軍は常に態勢を整え、断固とした対抗措置を取り、領土主権と海洋権益を断固として守っていく。

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