レネー・ラップ、自身の体験から生まれた「Snow Angel」で性暴力についての会話を促したかったと語る

昨年、レネー・ラップはその驚異的な歌声と鋭いウィットのおかげで、瞬く間にインターネットで人気の有名人の一人となった。『ミーン・ガールズ』の新しいミュージカル映画でレジーナ・ジョージ役を務め、一気にスターの仲間入りを果たした彼女だが、昨年リリースしたアルバム『スノウ・エンジェル』のタイトル曲について、自身のトラウマがもとになっていることを明かした。

米ザ・ハリウッド・リポーターのカバー・インタビューで彼女は、2023年の同名アルバムからのリード・シングルである楽曲「Snow Angel」は、性的暴行に関わる“信じられないほど衝撃的な”出来事からインスパイアされたとことについて率直に語った。レネーは、「まだその感情を整理しているように感じています」と述べ、「そして、それについて話すことが変に思えるんですよね、覚えていないので。最近、“実はもうこの人をインスタグラムでフォローしたくないんだよな、だって私が薬を盛られるようにクラブに置き去りにしたから”って思って。(中略)ビバリー・ヒルトンのトイレの個室で仰向けで目を覚まして、パンツ(ズボン)に血が付いていた。その時点で7時間くらい放っておかれていたんです」と続けた。

その出来事は、この楽曲の歌詞にインスピレーションを与えただけでなく、レネーが米番組『サタデー・ナイト・ライブ』(SNL)でそのパフォーマンスを披露した際の演出でも話題になった。彼女は、「私は、“OK、SNLに出るとき、もし私がこの楽曲をやるならこうしよう”って思いました。赤い床の上にいて、寝転がった状態で始めなければ。だってそうやって目覚めたから。下には赤があって、私は真っ白な服を着ていなければならない」と説明している。

この曲をリリースして以来、ファンはレネーの率直さと、トラウマを描いたこの作品を称賛した。彼女はそれについての会話を促したかったという。「最終的に、私はただ音楽を作るために音楽を作っているのではありません。私は会話を始めるために音楽を作っています。私が憧れている人たちは文化を作り、会話を始めるんです」と彼女は語り、多くのファンがこの曲に対する自分なりの知見を持ち寄ったと付け加えた。「“Snow Angel”が発表されたとき、人々を混乱させて、どうとでも解釈できるようにしておきたかった。“この曲は明らかに彼女がヘロインをやっていた時のことを歌っている”というようなおかしな見解を今でもよく見ます。そして私は、“すごいよ、あなたの創造性が素晴らしい”って思うんです」と彼女は述べている。

幅広いインタビューの他の箇所でレネーは、自分を“バイセクシャルのジャスティン・ビーバー”としてレーベルに売り込んだことについて語っている。現在はレズビアンであることを自認している彼女は、「あのボーイ(ジャスティン)をハンサムだなってまだ思ってるんですよ、すみません。それに、R&Bが好きそうなところも似ていると思う」と説明し、「彼は本当にセクシーなレズビアンを思い出させるんです。ステージを歩き回ったり動いたりする感じとか、いつも立ち居振る舞いがチルだし、歌はめちゃめちゃ上手いし、服装もかっこいいし」とジャスティンをベタ褒めしている。

また、彼女は大ヒットしたMaxシリーズの『セックスライフ・オブ・カレッジガール』でレイトン役を演じたことが、自身のカミングアウトの仕方に大きな影響を与えたと話している。「テレビ番組や有名人や成功や何かのおかげで、カミングアウトしていることを祝福されるのは本当に興味深かったです。自分の人生に関わっている人や家族が、変な感じに私のことを受け入れざるを得なくなったと思うから。あの番組は、人生で最もパラレルな経験でした。あのカミングアウトのシーンはよく覚えていますが、まったく演技をしていませんでした。まったく。ただ号泣していたんです」と彼女は振り返っている。

レネーは現在、【スノー・ハード・フィーリングス】ワールド・ツアーの最終日程を英国で迎えている。最近フランスのパリで行われた公演で彼女は、ビヨンセのカントリー・ミュージックへの復帰を祝して、2016年のカントリー・ソング「Daddy Lessons」のカバーを披露した。その後ビヨンセから感謝の花束が届いたレネーは、憧れの人からの思いがけないプレゼントに感激している動画を自身のSNSで公開した。

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