イタリア各メディアは2月29日、ドーピング問題で出場停止中のユベントスのポール・ポグバが、4年の停止処分になると報じた。選手はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴すると発表している。
ポグバは2023-24シーズン開幕戦のウディネーゼ戦後に行われたドーピング検査で、テストステロン陽性反応が見つかり、停止処分を言い渡された。地元メディアによると、クラブに報告せず、知人の医師に勧められたサプリメントを摂取したことが原因という。
故意に違反物質を摂取したのではないという主張のポグバは、司法取引に応じて2年の出場停止処分を受け入れるのではなく、潔白を強調。だが、イタリアのアンチドーピング裁判所は、検察側の要求を認め、4年の出場停止処分に科すことを決めた。
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これだけ長期の処分となれば、今月31歳になるポグバにとっては引退宣告にもなりかねない。『Gazzetta dello Sport』紙によると、選手は「悲しく、ショックで、胸が張り裂けそうだ。プロ選手としてのキャリアで築いたすべてを奪われたからだ」と話している。
「法的な制限から解放されたときに、すべての話が明らかになるだろう。でも、ドーピング規則に違反するサプリメントを故意あるいは自覚して摂取したことはない。プロアスリートとして、禁止物質を使って自分のパフォーマンス向上させることは絶対にしないし、所属したどのチーム、対戦したどのチームのアスリートもサポーターもだましたり、敬意を欠いたことなどない」
ポグバが暫定的に停止処分となったことで、ユベントスは支払わなければならないサラリーが月額約2000ユーロ(約31万円)の最低限となっている。だが、4年の長期処分となれば、契約を解消することが可能だ。
Gazztta dello Sport紙は、これまでの減俸分に加えて契約解消に至った場合、ユベントスは3300万ユーロ(約51億2000万円)の“節約”が可能になると報道。ポグバの処分はクラブにとって「ビジネス」になると伝えている。
同紙によれば、CASへの緊急提訴が受け入れられた場合、4か月ほどで裁決が下される可能性があるという。ワールドカップを制し、世界王者にまでなったポグバのキャリアは、不本意なかたちで実質的な終わりを迎えてしまうのか
構成●サッカーダイジェストWeb編集部