火災相次ぎ福島県いわき市消防本部が注意喚起 市内で前年同期比17件増 常磐地区では不審火8件

野焼きから発展した火災=15日午後0時30分ごろ(いわき市消防本部提供)

 福島県いわき市では今年に入ってから火災が相次いでいる。1月1日から2月20日までの発生件数は26件で、前年同時期と比べて17件増加している。市消防本部がパトロールや啓発活動で火災予防を呼びかけている。

 同本部によると、26件のうち、年明け以降に市内常磐地区で相次いだ不審火は8件。増加の一因となっている。

 このほか、野焼きが意図せずに燃え広がり、消防が出動するケースもある。過去10年間で野焼きから発展した火災は1月に9件、2月に12件、3月に9件。4月から12月までの合計は18件で、1月から3月の発生が全体の6割を超えている。

 野焼きは農業や林業、漁業を営む際にやむを得ない場合などの例外を除いて、原則として禁止されている。田植え前のこの時期、稲わらなどを焼却する農業従事者が増えるため、消防とJA福島さくらと協力し、風の強く吹く日には火を使わない、事前にすぐに消火できる準備を整える―などの対策を呼びかける。

 1日から、春の全国火災予防運動がスタートした。市消防本部予防課の山崎正人課長は、「火災はふとした瞬間に発生する。気をつけてほしい」と呼びかけている。

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