東海北陸道、全線4車線へ 国交省、新年度事業化候補

  ●飛騨トンネルも調査の方向

 国土交通省は1日、新年度から東海北陸自動車道の全線4車線化に着手する方針を示した。未着手だった岐阜県の飛騨清見インターチェンジ(IC)―白川郷IC間(約23キロ)で、南側の4.3キロについて事業化の候補に選定。最大の懸案である「飛騨トンネル」(延長10.7キロ)についても新年度に工法などの検討に入る方向となり、日本海側と太平洋側を結ぶ大動脈の真の完成が見えてきた。

 国交省は、暫定的に2車線で運用している高速道路のうち、新年度から4車線化を進める候補として、秋田道や東九州道など12道県の11区間を選んだ。東海北陸道では唯一の未事業区間が候補になった。事業費は300億円を見込む。有識者検討会での審議を経て、3月末ごろにも事業化を正式決定する。

  ●工法などを検討

 莫大な建設費が想定される「飛騨トンネル」を含む11.9キロについては、準備調査候補に選定した。事業化に向けて、より正確な事業費を把握し、事業着手後に円滑に工事を進められるよう事前に必要な調査、調整を行う。長大トンネルをどう建設するか、工法なども検討することになる。

 財源には、高速道路の料金徴収期間が50年間延長されることによる財源を活用する。

  ●知事「喜ばしい」

 新田八朗知事は「官民挙げての熱意を十分に受け止めていただき、大変喜ばしい。残る飛騨トンネルを含む区間の早期事業化などに向け、岐阜県などと連携して取り組みを進めたい」とのコメントを出した。

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