東海北陸道、24年度に4車線化着手 飛騨清見-白川郷IC、全線整備へ大きな一歩

 国土交通省は1日、東海北陸自動車道の飛騨清見インターチェンジ(IC)-白川郷IC間の一部区間(4.3キロ)で、2024年度から4車線化事業に着手すると発表した。両IC間は東海北陸道の中で唯一、事業未着手の暫定2車線だったため、全線4車線化に向けた大きな一歩となる。総事業費は約300億円。

 国交省高速道路課によると、24年度は4車線化の工事に必要となる事前調査や設計業務などに取りかかる予定という。高速道路の料金徴収期限を延長する改正法に基づいて得られる財源を活用する。

 4.3キロの4車線化事業着手区間とは別に、準備調査候補箇所として両IC間の11.9キロが対象となった。難工事が予想される区間において必要な工法や期間の検討、地質調査などを行う取り組みという。関係者によると、対象の11.9キロには国内最長クラスの飛騨トンネル(10.7キロ)も含まれているとみられる。

 東海北陸道は08年7月に全線開通した。富山県側で順調に4車線化の整備が進む一方、岐阜県側の飛騨清見IC―白川郷IC間(約23キロ)はこれまで予算が付いていなかった。重大事故防止や往来活性化を目指す両県の首長や議員が繰り返し要望活動を行ってきた。飛騨清見IC以南(名古屋方面)は既に4車線化されている。

新田知事「大変喜ばしい」

 新田八朗知事は、東海北陸自動車道の飛騨清見IC-白川郷IC間の一部で4車線化に着手することについて、「これまでの本県の官民挙げての熱意を十分に受け止めていただき、大変喜ばしい」とするコメントを出した。

 飛騨トンネルを含む区間の早期事業化などに向け、引き続き取り組むと述べた。

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