【震災・原発事故13年】国際的教育に特化 福島県双葉町で再開目指す学校 幼少期から英語授業 文科省から派遣視野

 福島県双葉町は新年度、町内で再開を目指す教育施設について、幼少期からの英語授業の実施などグローバル教育に特化した学校づくりの検討に入る。文部科学省などから有識者の派遣を視野に入れ、4~5年後の義務教育学校の設置を目標にカリキュラム作りなどに着手する。隣接する浪江町に福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)が設立され、今後、外国人研究者らの移住が見込まれる。外国籍の子の受け入れ体制を整え、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に貢献する人材を育てる。

 町は現在、インターナショナルスクールなどグローバル教育に詳しい文科省職員ら有識者の受け入れの調整を進めている。エフレイとも連携を強化し、地元の子や、世界から集まる技術者や研究者らの子の受け入れを想定している。

 町の学校は双葉中と双葉南・北小、ふたば幼稚園があり、児童らはいわき市の仮設校舎で学んでいる。町内で義務教育学校と認定こども園として再開を検討している。現在約40人が学んでいるが、再開後に町に戻るかは不透明だ。エフレイにさまざまな人材が集まる環境が見込まれ、幼少期から世界に目を向ける人材育成を目指し、古里の将来を担う子を呼び込む狙いがある。

 町の外国語指導助手として英国人男性2人が原発事故発生前から勤務している。2人を中心に英国との国際交流にも力を入れる。町は15日から双葉中の2年生5人を英国に派遣し、持続的な交流の契機とする。

 町は学校設置基本構想の策定を進めており、1日に町役場新庁舎で今年度最後の検討委員会を開き、案を取りまとめた。有識者や学校関係者ら委員からグローバル化や多様性を求める意見が出された。26日の町総合教育会議に提出し、具体的な基本計画の策定に入る。伊沢史朗町長は「多種多様な人たちがともに学べる仕組みづくりを進めていきたい」と意欲を示した。

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