安比地熱発電所、営業運転スタート 最大出力1万4900キロワット

1日に営業運転を開始した安比地熱発電所(安比地熱提供)=八幡平・国有林内

 岩手県八幡平市の安比地熱発電所は1日、営業運転を開始した。最大出力は1万4900キロワットで、一般家庭約2万5800世帯相当の発電量を見込む。県内で1万キロを超える地熱発電所の稼働は、雫石町の葛根田(3万キロワット)以来、28年ぶりとなる。

 安比地熱(同市大更、資本金1億円、菅野雄幸社長)が経営する発電所は、安比高原スキー場から西側約10キロの国有林内に建設。敷地面積約18ヘクタール。地下約2千メートルの地熱貯留層から4本の生産井(せい)を通じて地熱蒸気を取り出す。高さ22メートルの冷却塔、12メートルの気水分離機などを備える。

 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し、全量を東北電力ネットワークに売電する。総事業費は非公表。建設に当たっては冷却塔の高さを可能な限り低くし、配管や壁面を自然と調和した色味にするなど景観に配慮した。

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