げっぷで地球温暖化?…もう牛を悪者にしない 藻類入り飼料でメタン削減、実用化へカミチクとデンソーが新会社

 食肉生産・販売のカミチクグループ(鹿児島市)とデンソー(愛知県)は1日、淡水に生息する藻類を使って牛のげっぷに含まれる温室効果ガスのメタンを減らす飼料の実用化に向け、新会社を設立したと発表した。地球温暖化を抑制し、付加価値をつけた肉用牛の生産を目指す。

 新会社は「KJバイオ」(熊本県天草市)。2月28日に設立した。代表はカミチクグループの上村昌志代表。デンソーが培養技術の特許を持つ「コッコミクサ」という藻類の機能や用途の研究を引き継ぎ、同グループの飼料生産技術を生かして実用化を進める。

 カミチクなどによると、牛のげっぷ由来のメタンは二酸化炭素の約28倍の温室効果があるとされる。鹿児島県の温室ガス総排出量の約2割が畜産由来で、その6割を牛が占めるという。

 コッコミクサを混ぜた飼料と牛の胃液を使った実験では、メタンの発生が4割減ったほか、免疫を高める機能があることも分かっている。上村代表は「温室効果ガスの削減や牛の免疫力向上を目指し、農畜産業全体の発展に貢献していく」とコメントした。

〈関連〉コッコミクサの顕微鏡写真(デンソー提供)

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