殻や身を原料に、赤穂産のカキで黒ビール そのお味は… 姫路のクラフトビール醸造所が生産販売

赤穂市産のカキを使った黒ビールを紹介する宮崎隼人さん=姫路市久保町

 兵庫県赤穂市産のカキを原料とした黒ビール「オイスタースタウト」を、姫路市久保町のクラフトビール醸造所「フリースピリッツブリューイング」が生産販売している。カキの殻や身をホップとともに麦汁に入れ煮沸し、すっきりとした後味が特徴のビールに仕上げた。(田中宏樹)

 同醸造所は2022年8月、レストランを併設して開設。播磨産のユズや但馬産の朝倉山椒(さんしょう)を使った「ホワイトキャッスルエール」を看板銘柄とし、商品を入れ替えて常時6種類のクラフトビールを用意する。

 代表の宮崎隼人さん(38)はたつの市出身。地元の食材を使ったビール造りに力を入れており、播磨灘の名産カキに着目した。広島や岩手など国内のほかの産地ではカキを使ったビールが味わえるといい、播磨でも楽しめる場を提供する。

 坂越湾で水揚げされたカキの身や廃棄予定だった殻を使って生産し、2月中旬に発売。黒ビールのしっかりした苦みもあり、カキ料理やステーキなどの肉料理、チョコレート味のスイーツとの相性が良いという。

 宮崎さんは坂越湾へカキの水揚げの体験や加工場の見学に訪れたといい、「現地では生産者の思いにも触れられた。カキを使ったビールの認知度をもっと広め、地域の活性化につなげたい」と意気込んだ。

 醸造所では瓶ビール(330ミリリットル)を680円で販売(売り切れ次第終了)。レストランでも5月末ごろまでグラスビールで提供する予定。

 月曜定休。同醸造所TEL079.280.2850

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