希望胸に 青森県立高で卒業式/閉課程の青森工定時制 最後の卒業生

卒業式で高らかに校歌を斉唱する卒業生=1日、青森市の青森工業高校

 青森県立高校55校のうち54校で1日、卒業式が行われた。県立高校再編のため本年度末で定時制が閉課程となる青森市の青森工業高校では、同課程最後の卒業生2人と全日制課程の卒業生193人が、級友や恩師との別れを惜しみ、未来への希望を胸に学びやを巣立った。

 同校の工藤清彦校長が、卒業生一人一人に卒業証書を手渡し、「自分の力を信じ、堂々と目の前の扉を開けて前へ進んで。高みを目指し、自分磨きを怠ることなく継続し、輝き続ける人でいてほしい。地域や日本、世界に貢献する人材となることを期待する」と式辞を述べた。

 卒業生を代表し、全日制の加賀谷舞音(まお)さんが「3年間でたくさんの人と関わることができ、一つ一つの出来事が私を成長させてくれた。これからも現状に満足せず、常に進化し続ける。一度きりの人生、自分なりの生き方で粘り強く全力で生き抜いていく」、定時制の境秀希(しゅうき)さんが「先生方からは授業や資格取得のための勉強だけでなく学校の楽しさや将来の夢、社会性を教わった。高校で得たことを糧に、これからの人生を楽しみ、日々精進する」とそれぞれ答辞を述べた。

 新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行したことを受け、同校は今回、保護者の参加に人数制限を設けず、在校生も参加した。マスク着用の判断は生徒に任せたほか、国歌や校歌を斉唱する従来の開催方式に戻した。

 同校定時制は1948(昭和23)年、青森市篠田に設置、これまでに2367人の卒業生を輩出した。弘前工業、八戸工業も本年度末で定時制が閉課程となる。

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