サッカーJ2に復帰した鹿児島ユナイテッドFCのホーム開幕戦の2日、鹿児島市の白波スタジアムには気温10度と真冬並みの冷気にもかかわらず、約7000人のサポーターが詰めかけた。逆転劇に寒さを忘れるほど熱狂し、試合終了の笛にハイタッチしたり跳び上がったりして喜びを分かち合った。
後半9分。徳島ヴォルティスにPKで先制点を許すと、スタンドは長いため息と静けさに包まれた。それをはねのけたのが、FW鈴木翔大選手が途中交代で入った直後に決めた同点ゴール。観客は一斉に立ち上がり、両手を突き上げて歓声を上げた。
鹿児島市の泊口裕さん(36)は「フィールドに入ってすぐにゴールを決めるとは。監督の采配もすごい」。拍手や鳴り物の音は一段と勢い付いた。
このまま引き分けに終わるかに見えた後半ロスタイム、地元出身のFW武星弥選手が逆転のシュートを決めると、熱気は最高潮に。友達と肩を組んでジャンプした城南小学校6年山下莉功君は「もっと強くなって、早くJ1に上がってほしい」と興奮冷めやらぬ様子だった。
家族4人で観戦した同市の寺川敏朗さん(47)は「逆転勝利をJ2でもやってのけたのは今後への好材料。これからもすごく楽しみ」と期待を膨らませた。