JR九州は日豊線大分―佐伯間で、列車に自転車を持ち込んで運べる「サイクルトレイン」を2月から、毎月1回の定期運行にした。第2土曜日に上下計4便を走らせる。自転車で観光を楽しむサイクルツーリズムの振興と併せ、鉄道の利用促進につなげる狙い。ニーズを把握して本格導入を検討する。
普通電車の最後尾を専用車両とし、通路に自転車を載せる。1便15台まで。乗車賃に加え、1台300円の「サイクル持ち込み券」を買えば利用できる。大分、佐伯両駅のみで途中駅は乗り降りできない。
佐伯市はサイクルツーリズムを推進しており、同社も協力。佐伯駅に自転車用ラックやシャワー、更衣室を設けた。
同社大分支社によると、今月10日の列車は延べ26人が利用した。「使える駅を増やしてほしい」といった感想が聞かれたという。
運行は大分支社が実証実験として2022年10月に始めた。当初は予約制で、利用者の声を踏まえて見直した。今月から定期化し、本数も上下1便ずつ増やした。「ニーズを確かめ、将来的にはより多くの路線で運行できればと考えている」と話す。
国土交通省によると、サイクルトレインの導入は私鉄が中心で、九州は西日本鉄道(福岡県)など6社が通年で実施している。
<メモ>
運行する列車は、大分発が午前9時15分と午後2時27分、佐伯発が午前11時40分と午後4時2分。「サイクル持ち込み券」はみどりの窓口で当日のみ販売する。次回は3月9日。