37道府県は3月が本番!公立高校入試「開始5秒は動くな」「ゲン担ぎより好物を」受験生と家族が直前にやるべきことをプロに聞いた!【みんな頑張れ!】

3月5日からの1週間、全国の中学3年生にとって最も大切な時期だということをご存じでしょうか。首都圏や愛知県、広島県などでは2月に行われた公立高校入試ですが、北海道や大阪府、福岡県など37道府県は3月が本番。特に5日は、静岡県や宮城県、鹿児島県など18の地域で試験という集中日。この1週間は、まさに“高校入試ウィーク”なのです(SBS調べ)

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「15の春」ともいわれ、人生の最初の岐路に立つ中学生のみなさんに、少しでも力になりたいということで、入試を直前に控えた受験生と家族の心構え、さらに、やっておくべきことや避けたいことを、高校受験のプロ 秀英予備校(本部・静岡市)オンライン授業室の三関純さんに聞きました。

試験直前は「できている」の確認の時間

【試験直前にやっておきたいこと、避けたいこと】

試験直前は、とにかく「自身を高める」ことに振り切った方がいいと思います。具体的に何をすべきかというと、自分の実力で「ちゃんと解ける問題を解く」ことが大事です。

試験直前になって、慌てて難しい問題に手を出し始めるとかは危険。新しい問題よりも、今まで解いてきた問題集やテキストの中で、「もうちょっとで解けたのに惜しかったな」というところをしっかり潰しておく。

もうちょっと、頑張れば(点数が)取れる、または無理なく解ける問題でたくさん正解し、「よしよし、できている、できている」という最終確認をたくさんやった方がいいと思います。

「残り10分」で焦らないために

【過去問の使い方】

過去問題集は試験の傾向を知ることはもちろん、どのぐらいの問題に、どのぐらい時間かけていいのか、時間配分を確認するのに有効です。時間配分は最後の戦略。過去問をさかのぼって問題の配置を知ること。例えば、試験開始から30分経ったときに、自分は何番を解いているか、「家でやっていたら、ここまで終わっていたのに、本番ではここまでしか解けていないぞ」ってなったら、焦りますよね。

特に注意しておきたいのが、試験残り10分。なぜかというと試験会場で「あと10分です」とコールがかかるからです(※編集部注:静岡県の場合です)

「あと10分」って言われるとビクッとしてしまうじゃないですか。しかも「残り10分で解ける量じゃないぞ」となったら、そこから頭が回らなくなったりします。過去問題を解くとき、残り10分でどの問題にいるべきかを知っておく、自分の目安を知っておくのは、意味のあることだと思います。

1番好きな参考書を持っていこう!

【試験当日 会場に到着したらやっておきたいこと】

とにかくいつも通りでいられるかどうかが、勝負です。とにかく場の雰囲気に飲まれないこと。平常心でいられない、いつもの力が発揮できないってのが一番もったいないです。

試験会場から戻ってきた受験生としゃべっていて、非常に多いセリフが「周りがみんな賢く見えた」。自分に自信ないと、どうしても周りの子がすごく賢く見えるらしいのです。ならば、逆手にとって自分を賢く見せる、堂々としていれば「やばいぞ、隣の子、マジ、賢いオーラ出てるぞ」と周りにプレッシャーを掛けることができます(笑)

試験直前のおススメは、1年間で一番頑張ってきた問題集、一番好きな参考書などを教科ごと1冊会場に持ち込み、それを眺めること。必死に解く必要はありません。落ち着いて読んで「これやったな」とか、「これ、昔苦労したな」とか、この1年頑張ってきた自分の歴史を振り返ることが、ちょっとした小さな自信の種になるはずです。

みんな、「自信持てない、自信持てない」と言いますが、「結構やってきたじゃん」と思うんですよ。自信とは、自分を信じる力。「自分がやってきたことを信じる」ことはできるはず。受験生には「これだけやってきた、自分のやってきたことを信じて、自信だよ」と声を掛けています。

「とりあえず、5秒動くな」

「試験始め」の合図で一斉に問題用紙をバザッとめくって、カリカリ…と問題を解き始めますが、塾に通う生徒には「とりあえず5秒動くな」と言っています。スタートから5秒間、ゆったりと1ページ目をめくって、しばらくペン持たずに、問題の配置とかを確認する感じで。まずは「ゆったりと落ち着く5秒にしよう」と。ちょっとしたことですが、この5秒できっと心に余裕が生まれるはずです。

「ゲン担ぎ」より「好物」のワケ

【家族にお願いしたいこと】

親の役目は、健康管理と栄養管理。例えば、入試前日の晩ご飯に、「頑張れ」という気持ちで、ものすごいボリュームのトンカツを出して、ゲン担ぎをする方もいるかと思いますが、親の気持ちでご馳走を作るというよりは、「いつも通り、頑張れよ」ってお子さんが一番好きなメニューを出してほしいですね。(※編集部注:トンカツが大好物ならぜひ出してあげてください)

あとは、夜ふかしさせないこと。残り1週間ぐらいは、入試当日に何時に起きるか、その時間に体を合わせるコントロールをお願いしたいです。

ご両親こそ、普段通りに。お父さんやお母さんがバタバタすればするほど、子どもにも緊張が移ってしまいます。とにかく、わが子を信じてあげて、温かく見守ってあげてください。

人生で一番勉強した1年を自信に変えて

人それぞれ、勉強法や学習量は違うと思いますが、これまでの15年間の人生の中で、間違いなく一番勉強した1年だったと思います。今までの自分と比べ、やってきたことを自信に変えて、当日はいつも通りのテストだと思ってやってください。

あと、絶対に終わった科目を振り返らないでほしいです。友達と答え合わせをしても、いいことはありません。前だけ見て、次の科目、次の科目っていう意識でやってください。

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